新潟市が都心軸「にいがた2km」の基本方針となる3つの柱を設定

第2回 新潟市都心のまちづくり推進本部会議の様子

新潟市は2日、都心軸「にいがた2km」の活性化を組織横断的に進めていくため、新潟市都心のまちづくり推進本部会議を開催した。今回会議では、関係団体の意見を踏まえた今後の方向性について取りまとめ、中原八一市長は「まとまっていなかった“にいがた2km”の方向性の大筋が固まった」と話す。

新潟市では近年、新潟駅周辺から万代・万代島、そして信濃川を渡った古町へ至る都心エリアを「にいがた2km」と名付け、企業誘致や若者の定着などへ繋げるための再整備を進めている。1日には、都市再生緊急整備地域に指定され、容積率の緩和など柔軟な対応が可能となった。

こうした状況の中、4月に続き第2回目の開催となる推進本部会議では、都市政策部や観光・国際交流部など各部局が関係団体や企業からの意見を取りまとめ、まちづくりの基本方針を「3本柱」に集約した。

新潟市の中原市長

にいがた2kmの基本方針(新潟市資料)

企業などから寄せられたDX推進や創業・新規事業推進にかかる意見は、1つ目の方針である「人・モノ・情報の中心基地となる稼げる都心づくり」へ集約。官民協働により、5G環境の整備や補助制度の拡充し企業誘致に繋げていくという。

また同方針には、古町の空き家を活用して、芸妓やマンガ・アニメコンテンツといった文化に関連するベンチャー育成や人材集約を目指す仕組みづくりの検討も含まれている。人口流出を食い止めるため、個性ある地域の魅力づくりを今後どう進めるか注目だ。

中原市長は市の強みを語る中で、「都市と田園の調和」を強調するが、この強みを増進させる取り組みの多くは2つ目の柱である「都心と8区の魅力・強みのコラボレーションによる新たな価値の創造」に集約された。

また、都市緑化の推進や、国交省でも進める道路空間の有効活用など、都市空間の改変に関する内容は、「居心地が良く、人が主役になるまちづくり」に集約。団体や企業などからは、2kmエリアの交通抑制による歩行者天国化、新たなパーソナルモビリティなどの導入が挙がったようだ。

新潟駅・にいがた2km(2021年4月撮影)

中原市長は会議後「これまで“にいがた2km”という名前はつけたものの、その中身の方向性はまとまっていなかった。今回からようやく大筋が固まり、取り組みを本格的に進めていくことができる」と話す。また、都市再生緊急整備地域の指定について、「(指定は)全国の中では早いわけではないが、市としては(取り組みを本格化する)これからという時期に指定を受けることができた。これにより、まちづくりの準備の第一歩が進んだ」と今後へ意気込んだ。

一方で、取りまとめた内容が広い分野に渡るものであることから「(市民にとっては)聞けば聞くほど、『にいがた2kmとは何だろう?』と感じるようになってしまった。さらに内容をうまくまとめ、伝わりやすくすることが宿題となった」と今後の課題について語った。

(文:鈴木琢真)

 

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