大日本印刷のPETボトル、輸出拡大を視野に入れた「生酒」の容器に採用
生酒のコンソーシアム代表は新潟薬科大学
大日本印刷株式会社(東京都、DNP)は27日、遮光性やバリア性に優れた同社のPETボトルが、新潟薬科大学が代表を務める「圧力生酒コンソーシアム」に採用された、と発表した。
国内では、PETボトル本体への着色が認められていないため、これまで酒類など内容物の変質を防ぐために容器の遮光性が求められる飲料での使用は困難とされてきた。
これに対して、大日本印刷が開発した「DNP機能性フィルム複合型PETボトル Complex Bottle(コンプレックスボトル)は、透明なペットボトルに遮光などの機能を持った着色フィルムを被せて一体成形。ボトル底部まで覆い、種類でも使用できるようにした。
遮光性や酸素バリア性などの機能性に加え、表面には印刷によるデザイン性も付与できる。また飲み終わった後は、外側の着色フィルムをはがすことで透明なPETボトルになるため、国内のリサイクルガイドラインにも適合するという。
一方、圧力生酒コンソーシアムは、2016~2018年度の3ヶ年の実証型研究開発プロジェクト。高圧技術を活用し、火入れ(加熱処理)しない日本酒(生酒)の常温流通を可能とする技術を開発し、日本酒の新規需要の開拓と輸出拡大を目指している。
同コンソーシアムの製造工程では、生酒を容器に封入してから高圧殺菌処理を行うため、柔軟性や伸縮性のある容器が必要となる。そうしたなか、PETボトルの柔軟性・伸縮性といったビンでは実現できない特徴を評価し、日本酒の生酒「AWANAMA」の容器への採用を決めたという。
なお、「AWANAMA」のデザインは、株式会社フレーム(新潟市)が手がけている。
また「AWANAMA」は、10月4日から6日まで、東京ビッグサイトで開催される「アグリビジネス創出フェア」の新潟薬科大学ブースに出展されるという。