新潟県・新潟市調整会議が開催され、新潟都心の都市デザインの進捗状況などを確認
今後も実現に向けて着実に取り組んでいく方針
新潟県と新潟市が事業連携などについて意見交換を行う「新潟県・新潟市調整会議」が7日、新潟県庁で開催された。
この日の会議には、早稲田大学マニフェスト研究所顧問の北川正恭氏のほか、新潟県から花角英世知事、佐久間豊副知事、笠鳥公一知事政策局長、新潟市から中原八一市長、高橋建造副市長、三富健二郎政策企画部長が出席。「新潟都心の都市デザイン」の進捗状況および今後の取り組み、二重行政解消の進捗状況などを確認したという。
花角知事は、自身が知事に就任する以前の関係者の努力に触れつつ、「新潟県の発展は新潟市の発展とも重なっている。その新潟市を元気にするための都市デザインを着実に実現していく歩みが着実に始まっている。今後も必要に応じて会議を開催していきたい」などと語っていた。中原市長は、「新潟市の拠点性を高めるための理念や方向性を共有できた。今後は本日の意見交換を踏まえ、できるだけスピード感を持って、具体的な取り組みを県と連携して進めていきたい」などと語っていた。
一方、都市デザインの実現に向けて課題となるのが財政的なもの。県や市では、財政改革の推進で予算をねん出することなどに加え、民間の力も借りて、実現していきたい意向だ。
県と市の連携は平成23年にスタート
そもそも県と市の連携のはじまりは平成22、23年頃にさかのぼる。平成22、23年頃に、大阪都構想や中京都構想が注目されていたなか、新潟県と新潟市も共同で「新潟州構想」を提起。その具体化に向けた検討を行うため、平成23年7月から、経済団体、学識経験者などで構成する「新潟州構想検討委員会」(座長:北川正恭=当時早稲田大学大学院教授)を開催し、平成24年5月に報告書をまとめた。
この報告書を踏まえ、新潟県と新潟市は、二重行政の解消、役割分担の明確化に向けた取組を進めることとし、平成24年2月から新潟県および新潟市の担当部局長で構成する「新潟州構想検討連絡調整会議」を開催。さらに平成24年11月から、新潟県知事、新潟市長、顧問らで構成する「新潟州構想検討推進会議」を開催し、二重行政の見直しなどの取り組みを進めてきた。
こうしたなか、平成26年6月に、地方自治法が改正・公布され、都道府県と指定都市の二重行政の解消などに向けた協議の場(指定都市都道府県調整会議)が設置されることなった。そこで、平成28年4月の改正地方自治法の施行に先駆け、平成27年3月に「新潟県・新潟市調整会議」を開催(※法律施行を受けての正式な第1回開催は平成28年7月)。以降、年1回のペースで開催し、新潟市の都市機能向上に向けた取り組みや、新潟県と新潟市の二重行政の解消などについて意見交換してきた。
北川氏は、「もともと県庁と政令市、県庁と県庁所在地というのは、うまくいかないというのが世の中の常識だった。それを取り払う努力をし、県と市の1+1が、3や4や5に発展する機運が出来てきて、こんにちの都市デザインのつながったことは大変いいこと」などと、平成23年以降の取り組みを総括していた。さらに、今後は、「ほかの市町村、議会、経済界などに説明し、国のお仕着せの地方創生ではなく、新潟県からこの国が変わっていくんだ、ということを示してほしい」などと期待を述べていた。
なお二重行政の見直しでは、これまでに、市営住宅と県営住宅の申込先の統合、県民会館とりゅーとぴあの申し込み窓口の一本化などで意見交換が行われてきた。