コジマタケヒロのアルビ日記「2021年、新潟のラストピース 髙澤優也選手」
2021年8月3日からチームに合流した、髙澤優也選手。8月9日のJ2リーグ第24節・大宮戦以降、9月18日時点まで全6試合に出場。合計出場時間は200分、放ったシュートは合計4本。
「夏に移籍をするのは今回が初めて。やっぱり夏の移籍って補強というイメージがより色濃いと思っています。だからこそ、なかなか点が取れないと周りからも言われますし、自分の中でも本当にこれでよかったんかなって思ったときもありました。ツイッターなどで厳しいコメントをいただいているのも知っています。結果を出さないと叩かれるのがサッカー選手ですし、それだけ熱い想いで一緒に戦ってくれているサポーターの方の気持ちも理解できているつもりです」
0対0のスコアレスドローに終わった、第28節の北九州戦の翌日、9月5日に髙澤優也選手自身のツイッターが更新された。“自分は軽い気持ちで新潟に来たわけじゃない。大分の看板とプライドを持って新潟に全力を尽くしにきた。結果が出てないのに何も言える立場ではないが、まだシーズンは終わっていない。自分は仲間、監督、スタッフ、サポーターを信じてる。夏の補強が自分で良かったと言ってもらえるようにこれから戦う”
「あのときから気持ちはまったく変わっていません。より強まっているくらいです。新潟をJ1に上げるって条件で、トリニータは自分をチームから出してくれました。だからこそ、J1に上がらないといけないし、個人的にも結果を出さないといけない」
9月11日に行われた第29節山形戦、途中からピッチに立った髙澤優也選手。アディショナルタイム1分が過ぎたところで、右サイドバックの藤原奏哉選手から1本のクロスが入った。「試合前に奏哉くんに“自分が試合に出たら置きにいくような、柔らかいボールがほしい”と話していました。試合後に聞いたら、このコミュニケーションがあったから、あぁいうボールを上げたって。もっと周りと話しながら、チームにフィットしていきたい。新潟のサッカーに合わせつつ、自分のストロングを生かせるように努力します」
今後、時間のない中で、力で1点を取りにいく試合も増えるだろう。そうなると必要となるのが、質の高いクロスと、それにボールに合わせる技術。2020年の大分時代に髙澤優也選手が決めたゴールのうち、半数はクロスボールに合わせたもの。そのすべてが高さ勝負だったわけではなく、ゴール前に入ってくる早いボールに合わせたものもあった。
新潟得意のボール回しから、ゴール前への早いクロス。そこへ飛び込む11番。揺れるゴールネット。そんな光景が早く見たい。
◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート