病児とその家族のための宿泊施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた」工事の安全祈願祭、来年10月に運営開始
新潟大学医歯学総合病院(新潟市中央区)の敷地内に建設される病児とその家族のための宿泊施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた」新営工事の安全祈願祭が22日午後、建設地で執り行われた。
ドナルド・マクドナルド・ハウスは、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(DMHC)により設置・運営されている、病児とその家族のための宿泊施設。「わが家のようにくつろげる第二の家」がコンセプトで、食事や洗濯ができるほか、患者や家族の支えとなる多くのボランティアで運営されている。また、宿泊料金は安価で、自宅と入院先との二重生活を強い入れられている患者の家族の負担を和らげてくれる。現在、全国に11ハウスあるが、国内日本海側に建設されるのは初となる。
ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがたは、新潟大学医歯学総合病院(新潟市中央区)の敷地内に建設される。鉄筋コンクリート造り4階建で宿泊できる個室は3、4階に10室ある。また1階には図書館や見晴らしデッキ、ラウンジ、ボランティアのためのスペース、事務室などが配置され、2階にはキッチン、リビング、ダイニング、キッズコーナーなどの共有スペースが置かれる。ただ個室に、あえてキッチンやテレビを配置しないことで、共有スペースの利用を促している。これにより利用者同士でお互いの悩みを共有してもらいたいという。
宿泊料金は1泊1人1,000円(患者は無料)。新潟大学医歯学総合病院と新潟県立がんセンター新潟病院に入院する20歳未満の患者(外来、入院)とその家族が利用できる。遠方に暮らす家族や患者(外来)にとっては宿泊料金(経済的負担)に頭を悩めることなく病院までの移動負担を軽減できるうえに、患者(入院)に外泊許可などが出た場合は家族団らんで過ごす機会をつくることもできる。
建設費は3億5,400万円で、DMHCと国立大学法人新潟大学が折半して拠出する。新潟大学では、一昨年に募金委員会を発足し建設資金を募金で集めはじめ、これまでに2,000個人・団体以上から目標額を超える1億8,800万円を集めることができたという。
来年6月に完成し、ボランティアのトレーニングなどを経た後、10月から宿泊者を受け入れ始める予定だ。
運営後は、有給スタッフ3人以外は、すべてボランティアで運営していくこととなる。ボランティアは1ハウス100人から150人程度で、2週間に1回(3時間)、ベッドメイク、電話対応、寄付に対する礼状対応など自分のできるボランティアに従事してもらう。すでに運営されているハウスでは、美容室やマッサージ店の人が無料でサービスを提供したり、ミールプログラムのボランティアを実施したりする人もいるそうだ。今後、ファストフードのマクドナルドに協力してもらい店内にボランティア募集のチラシを設置するほか、学生に声がけするなどしてボランティアを募っていく。
ただボランティア運営が基本とはいえ、年間1,500万円から2,000万円の運営費が必要なことから、引き続き募金協力を依頼していくという。
一方、安全祈願祭には、発注者であるDMHCの飯野直子常務理事、新潟大学の牛木辰男学長のほか、新潟県福祉保健部の松本晴樹部長、新潟大学医歯学総合病院の冨田善彦病院長、新潟県立がんセンター新潟病院の佐藤信昭病院長、施工・設計を担当する株式会社本間組の本間達郎代表取締役社長、株式会社コンフォルトの渡辺文司代表取締役所長などが参列した。
【ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた 概要】
住所 新潟市中央区旭町通一番町756番地9(新潟大学医歯学総合病院敷地内)
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