5Gビジネスラボ(新潟市中央区)を利用した初の実証実験、映像配信とロボット遠隔操作を実施

実証実験の様子

新潟市は9日、株式会社NTTドコモなどと連携し、企業が次世代通信規格「5G」を利用した商品・サービス開発などに利用可能な実証拠点「5Gビジネスラボ」を産業振興センター(新潟市中央区)内に開設。25日には、株式会社NST新潟総合テレビ(同)が活用ケース第1弾として、同所と万代シティ間を結んで映像配信やロボットの遠隔操作を実施した。

今回の5G(ミリ波)エリア2拠点間を結んだ実証実験は、県内では初めての取り組み。参加した新潟大学(新潟市西区)の学生たちが、産業振興センターと万代で互いにロボットを遠隔操作しながらビデオ通話を繋いだ。

参加した学生は「擬似的に歩き回ることもできて、非対面なのに対面のような感覚だった」と話した。

万代シティと音声・映像を繋ぎ会話する新潟大学の学生。ゲーム機のコントローラーで、テレビモニター右側に映るロボットを操作している

万代シティに置かれたテレワーク用ロボット(写真右)

「5Gビジネスラボ」は産業振興センターのほか設備と同様、同施設へ申し込むことで使用可能。また、施設内の展示会場と連携したイベントも考えられる。企業が5Gを利用した商品・サービスの開発を後押しする環境を整えることで、既存の県内企業だけでなくアイデアを持つスタートアップの育成や、県外企業の誘致も進めたい考えだ。

新潟市経済部成長産業支援課の宮崎博人課長は「5Gの持つ高速・大容量・低遅延などの特長を活かしきることのできる機器は、スマートフォン以外にもっと存在してもいい。また、例えば5Gを利用したドローンを使おうと思った場合など、海外製になってしまうことも多い」と通信技術の進化にハードが追いつけていない現状について話す。

「アイデアを持つ若手のスタートアップがこの施設を知って、新潟で起業してもらえるようになればと考えている。自分たちで製品を製造ができないとしても、我々が部品や技術を持つ市内企業を紹介することもできる。県外大手へも、試験場として利用するだけでなく、新潟の企業とコラボして実験できるよう提案していきたい」(宮崎課長)

新潟市では「にいがた2km」でもIT企業やベンチャー企業を集積できるような整備を進めている。コロナ禍で地方分散が後押しされる中、同施設が新潟市の産業の飛躍に繋がることを期待したい。

今回はテレワーク用のカメラを搭載したロボットや、警備ロボットを利用して映像を繋いだ

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