新潟市の鳥屋野潟近くにドーム球場を 野球関係者が新潟市の中原市長に要望
ドームを核に交流人口の拡大を目指す
新潟県野球協議会と新潟県ベースボールサポートクラブの関係者が28日、新潟市を訪れ、中原八一市長に、新潟市中央区にある鳥屋野潟近くにドーム球場を建設して地域活性化を目指す提言書(要望書)「NIIGATA GLOBAL DOME(新潟グローバルドーム)計画」を手渡した。
提言書は、一昨年に新潟市に提出し提言書「PARC・BALLGAME・PARC・PROJECT(パーク・ボールゲーム・パーク・プロジェクト)」をブラッシュアップしたものという。パーク・ボールゲーム・パーク・プロジェクトでは、老朽化した鳥屋野運動公園野球場と小針野球場を売却し鳥屋野潟南部エリア(約50ha)に新球場や商業施設などを一体開発することを提言した。
これに対し、今回の要望書では、開発エリアを、これまでの「住居ゾーン」(下地図の右)から、ゾーニング変更の必要がない「国際文化・教育ゾーン」(約37ha、下地図の中央やや左側)に変更。ここにドーム球場を建設し、プロ野球球団や6大ドームツアー(福岡ヤフオク、札幌、東京、名古屋、京セラ+新潟)を誘致したり、飲食街やショッピングエリア、宿泊施設を整備したりして、交流人口を増やし、新潟を活性化していこうという“超巨大な構想”だ。完成時期は2025年を想定している。
このうち、プロ野球に関しては、2014年に地方創生戦略として、「プロ野球球団16球団構想」が発表され、新潟市、静岡市、松山市、沖縄県でプロ野球球団の設立に向けた動きが生まれているという。新潟では、アルビレックスBCのプロ野球球団への昇格か、在京球団の新潟への移転招致で実現したい考えだ。
またグローバルドームには、360度の超大型スクリーンや、最新音響施設などを設置し、ツアーなどに対応できるようにする。
一方、新潟市は財政的に厳しい状況にあり、市から多くの財政的な支援は期待できない。そうしたなか、現状400億円と想定している建設費をどのように手当てしていくのかという課題がある。また、隣にHARD OFF ECOスタジアム新潟があるなか、新球場を建設することに理解が得られるのかというハードルがある。
建設費については、(前回の提言書と同様に)鳥屋野運動公園野球場と小針野球場の売却代のほか、県民市民から一口1000円の出資金を募ることで、市の出費(補助金)を極力少なくした形で土地代を手当てしたいという。集めた資金は、新たに設立するSPC(特定目的会社)に出資し、不足する額はSPCが融資や補助金などで調達する。その後、収入を原資に借入の返済をしていく。球場の建設と運営については、民間の会社の入札で決定するという。
野球場が隣接することについては、松山市のマドンナスタジアム、坊っちゃんスタジアムのような相乗効果が期待できるという。具体的には、「アマチュアのための球場」と「プロ、ライブなどのイベントのための球場」と用途をすみ分けすることで、アマチュアがECOスタジアムを使用できる機会が増えるという。「週末に様々なアーティストが出演する『音楽と髭達2019』があるが、こうしたビッグイベントがあると、準備なども含めて1週間近く使えなくなる。だがドームがあれば、こうしたイベントをドームで行なえるので、ECOスタジアムが使いやすくなる」などと話していた。
なお市長訪問は冒頭以外、非公開で行われたが、訪問後の取材によると、中原市長からは前向きな回答があったという。