寒冷地型データセンターの余剰エネルギーを使った植物工場が長岡市内に完成
農作物やチョウザメなどは⻑岡市内の店へ順次出荷
寒冷地型データセンターサービスを提供する株式会社データドック(東京都)と、株式会社プラントフォーム(東京都)は、データドックが運営する寒冷地型データセンター「新潟・⻑岡データセンター」(長岡市)の敷地内に、国内最⼤規模のアクアポニックス農法を実践する植物⼯場「アクアポニックス⻑岡プラント」を建設していたが、28日に完⼯した。
プラントの完工で、寒冷地型データセンターと、アクアポニックス農法を掛け合わせた、世界初のサステナブルデータセンターモデルが完成したという。
サステナブルデータセンターモデルは、わかりやすく言うと、「環境」「社会」「経済」の3つの軸を満たす持続可能なビジネスモデル。具体的には、寒冷地型データセンターの運営で出る余剰エネルギー(雪冷熱・地下⽔・IT 機器の廃熱)を、⽔耕栽培と⽔産養殖を同時に⾏う「アクアポニックス農法」に有効活用する。アクアポニックス農法は、⿂の排泄物を養分として有機野菜を育てる循環型農法ができることから、持続可能な農業として世界で注⽬されている。
また、アクアポニックス農法は、⼀般的な⼟壌栽培に⽐べて栽培期間が2分の1、液肥栽培の植物⼯場に⽐べて2・6倍の⽣産性、LED型の植物⼯場と⽐べて初期コストが4分の1、ランニングコストが10分の1といった⾼収益性も特徴。こうしたことから、「寒冷地型データセンター 」×「 アクアポニックス農法」によるビジネスモデルは、環境・社会・経済の3つの軸を満たす持続可能なビジネスモデルといえるのだ。
レタス、バジル、いちご、わさび、⽣姜、ビーツ、スイスチャード、ルッコラ、スナップエンドウ、ミントなどを栽培するほか、チョウザメ(キャビア)を養殖する予定。生産された農作物やチョウザメなどは、⻑岡市のレストランなどに今秋、順次出荷される。
9⽉に施設の⾒学を開始するほか、システムの外販も⾏っていき、アクアポニックス農法の拡⼤を⽬指していくという。