ノーベル文学賞受賞有力の村上春樹氏と新潟県との関係性

今年こそ受賞なるか注目される

今年のノーベル文学賞の発表が日本時間の7日20時以降にスウェーデンの首都・ストックホルムで発表される。ここ10数年間、毎年のように受賞を期待されてきた作家の村上春樹氏(72歳)だが、今年はノーベル文学賞受賞者を予想するイギリスのブックメーカー(賭け屋)のオッズで村上氏が最上位グループの6人に入ったと一部で報道されており、「今年こそ」とハルキストたちも喜んでいるようで、川端康成氏、大江健三郎氏に次ぐ日本人3人目の村上氏のノーベル文学賞受賞はあるのだろうか?

実は、村上氏と新潟県の関係性は意外と深い。村上氏の過去の小説を見ると、「ねじまき鳥クロニクル」では妻の兄である綿谷ノボルの兄が新潟県選出の衆議院議員という設定だし、「騎士団長殺し」には、妻に「一緒に暮らせない」と切り出されたその夜のうちに、関越道で新潟まで行き、海岸沿いを走って北海道までたどり着くという箇所が出てくる。また、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」には新潟県生まれで、新潟県三条市で結婚することになる女性も登場する。

さらに、同じ「村上つながり」という縁で、新潟県村上市の「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」には複数回出場していることを自身のエッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること」で書いているほか、関係者によると、新潟県妙高市の赤倉観光ホテルリゾートスキー場に度々スノーボードをするために訪れていたという情報もある。

筆者は昔からの村上春樹ファンでいわゆるハルキストだが、それが高じて村上春樹論の本を出したくらいである。今年は何とか賞をとってほしいという気がするが、長編小説の出版はなかったため、果たしてどうなるか。

村上氏は2006年に、ノーベル文学賞の指標の1つともいわれるチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞し、それ以降下馬評では毎年のように有力候補といわれてきたが、“10数度目の正直”となるか、7日夜の発表が注目される。

意外と新潟県とゆかりがある村上春樹氏

筆者の著書「マイノリティーとしての村上春樹論」(アメージング出版)

(文・梅川康輝)

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