東北電力ネットワーク、佐渡島での再生可能エネルギー、蓄電池、EMSなどを組み合わせた最適な需給制御の実現に向けた取り組みを発表

取り組みイメージ(同社報道資料より)

東北電力ネットワーク株式会社は5日、佐渡島における再生可能工ネルギーのさらなる導入拡大に向け、エネルギーマネジメントシステム(EMS、エネルギー使用状況を一元的に把握・管理するとともに需要予測に基づいて発電量の制御を行う)や太陽光発電システム、大規模蓄電池などを組み合わせた取り組みを行い、最適な需給制御の実現を目指すと発表した。

現在、佐渡島内の電力供給は内燃力発電(両津火力発電所など)が主体となっているほか、本土と電力系統が接続されていない。こうした状況下で、天候により出力が変動する再生可能工ネルギーが大量に接続された場合、電気の使用量と発電量のバランスが保てなくなり、電カの安定供給に影響を与える懸念がある。

そこで今回の取り組みでは、太陽光発電、蓄電池を新設し再生可能エネルギーの発電量を増やすことに加え、EMSを新設・運用することにより、再生可能エネルギーの出力変動による電力系統への影響を緩和できるようにする。

具体的には、栗野江地区の佐渡総合高校実習地跡に1,500キロワットの太陽光発電システムを新設し、島内の太陽光発電量を拡大する(今年3月末の佐渡島内の太陽光発電は5,800キロワットとなっている)。なお東北電力ネットワークが太陽光発電システムを設置するのは初めてという。

また両津火力発電所構内に大型蓄電池を設置する。

さらに、佐渡電力センターにEMSを新設。これを運用して島内の電気の使用量と再生可能工ネルギーの発電量を予測するとともに、太陽光発電・内燃力発電(火力発電)などの発電量を一元的に把握・管理。これにより、太陽光発電量が増えても、蓄電池の充放電と内燃力発電の出力調整などをこれまで以上に適切に制御できるようにする。

将来的には、島内の火力発電所で水素、アンモニアを燃焼できるかも模索していく。

一方、東北電力グループと新潟県は2019年に包括連携協定を締結したほか、新潟県ではこの締結に合わせて、「新潟県自然エネルギーの島構想」(再生エネルギー発電の増加とそれに伴う、グリーン産業の創出や防災力の向上などを目指した構想)を公表した。

また東北電力グループでは今年、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」を公表し、電源の脱炭素化に向けた環境整備などに取り組んでいる。

具体的には今年9月に佐渡島で第三者所有モデルの太陽光・蓄電池サービス「あおぞらチャージサービス」の取り扱いを新築戸建て向けに始めたほか、7月には新潟火力発電所(5号系列)などでの水素およびアンモニア混焼実証について公表。さらに、8月には新潟東港バイオマス発電合同会社への出資参画を発表している。

こうしたなか、新潟県自然エネルギーの島構想への協力も、同社の進めるカーボンニュートラル化に繋がることから、新潟県自然エネルギーの島構想の先導的プロジェクトとして位置付けられているエネルギーマネジメントシステムなどの新設を佐渡島で行うことにした。

なお同社では、再生可能エネルギーの拡大に加え、「エネルギー教育の学びの場になることも期待している」と話していた。

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