魚沼漁協が生産する「鮭チップ」が密かな人気
来期は増産、販路拡大へ
魚沼漁業協同組合が、今年10月から製造販売している「魚野川産・鮭チップ」が、県内外でひそかに人気になっている。今年は300パックを製造したが、漁協関係者の話ではすでに完売状態だという。
鮭の乾物商品といえば、鮭トバや鮭ジャーキーなどは全国津々浦々で見かけるが、「チップス」というのは他に例を見ない。魚沼漁協の採捕場の中の作業場で生産し、採捕場内の売店やJAの直売所「百菜園」で販売している。
川を遡上してくる鮭の中でも、雄の鮭は食用にされてきたが、産卵後に腹の肉が薄くなった雌の鮭は使い道がなく、廃棄されてしまうのが一般的。魚野川の鮭も例外ではなかったが、魚沼漁協では何とかこれの利用法がないかと長年模索していた中、この地域の一部で行われていた加工法に目をつけ、昨年から試作を繰り返し、今年ようやく商品化にこぎつけた。
雌の鮭の背の部分を使い、薄くスライスして塩で締め、ぬめりをとってから醤油で味をつけて乾燥させたもの。冷蔵庫で保管すれば1年くらいは日持ちするという。
「250g入り(1000円)と120g入り(500円)を販売していますが、250gでだいたい鮭1匹分くらい。買って行かれた方の中には、気に入られて、その後に大量に買われたお客様もいました。まだキャパシティはあるので、来期はさらに増産し、販路も拡大したいと思います。いずれはこの地域の名産品になってくれれば」(魚沼漁協・小池理事)
酒のつまみにはうってつけ。そのままでもいけるが、少し炙ると香ばしさと柔らかさが増して美味しくいただける。