木遣り響く瀬波大祭〜瀬波浜町では屋台修復も〜【村上新聞】
瀬波浜町が133年ぶりに屋台に漆塗
瀬波大祭を前に瀬波浜町公民館では9月1日、村上市教育委員会による「しゃぎり屋台のみどころ~素晴らしき伝統・文化・遺産~」テーマの講演会が開かれた。
講演を前に遠山昭義区長が修復作業を段階的に行っている瀬波浜町の「明治18年の大火で焼失した瀬波浜町の屋台は数年後再建されたが、かつての規模の再現はされないままに推移。一昨年から文化庁の補助金を活用し今年、133年ぶりに屋台の漆塗が施され1階部分が色鮮やかに蘇った」と解説した。漆塗は村上木彫堆朱の塗師、平山鋼平さん(71)が担当。波形をかたどった彫刻部分にはとても珍しい青色を配するなど、見応え充分の仕上がりとなっている。
講演に訪れた村上市教育委員会の竹内裕係長は、自ら全国を訪ねて収集した数々の祭り屋台の写真をスクリーンに映し出し、それぞれを比較。「お祭りは楽しむだけでなく、祭りの由来や意味を知ることで誇りや絆が育まれるものだと思う。その意識を次の世代に継承してほしい」と話した。
夜風に木遣り響く
村上市の三大祭りのひとつ「瀬波大祭」が3日、4日、瀬波地区一帯で開かれた。この大祭は西奈彌神社の例大祭として、1200年以上に渡り受け継がれており、海辺の町らしい活気ある祭りとして、広く親しまれている。
祭礼当日は、高さ約5㍍、重さ約1㌧、木彫り堆朱や金箔で装飾されたきらびやかなおしゃぎり5台が巡行。笛、太鼓、鉦のお囃子を響かせながら、心地よい風が吹き抜ける通りを練り歩いた。
本祭の4日午後8時ころ、提灯にあかりをともした5台の屋台は瀬波浜町の坂下に集まり、辺りは港町の祭りならではの風情ある情景に。各町内が自慢の木遣りを披露し、勇ましい掛け声とともに西奈彌神社目掛けて坂を駆け上がると、祭りの盛り上がりは最高潮に達していた。
見物に訪れた山居町保育園、青組(年長クラス)の佐川勇翔ちゃん(5つ)は「笛はフー、鉦はチーンと鳴って、楽しそうな音が聞こえました。お祭り屋台はかっこいいので、大きくなったら参加してみたいです」と楽しそうに話していた。
村上新聞2019年9月8日号