コジマタケヒロのアルビ日記「キャプテンの役割 堀米悠斗選手」
「去年のキャンンプ初日、監督から部屋に呼ばれてキャプテンを務めてくれと言われました。その前のシーズンの映像もかなり見てくれていたようでしたし、監督の経歴も知っていましたから、非常に光栄で、うれしかったのを今でも鮮明に覚えています」
昨季から2年続けて、チームのキャプテンを務めているのが、31番・堀米悠斗選手。実は、堀米選手とは定期的に話をさせてもらっている。話をする回数が増えるごとに『本当の想い』に触れる機会も増えていると個人的には思っていて、自分にとってとても思い入れの強い選手の1人となっている。話が上手で、熱い想いを持っている。自分への要求が多く、チームメイトへの細かい配慮を忘れない。そんな堀米選手が数週間前からフリーキックの練習を始めた。全体練習が終わってから、黙々と1人で蹴り込む姿を何度か目にした。
「フリーキックの回数は結構あるんですけど、ヨシくん(高木善朗選手)は、かなりキッカーとしても警戒されてきていてなかなか得点につながらないのが現状。僕と同じ左利きのユズくん(島田譲選手)は、横からのコーナーとか横からのクロス的なボールは得意だけど、直接はあまり蹴ったことがないと本人も言っていました。そこでモトさん(渡邉基治コーチ)と話して、フリーキックの練習を始めるようになりました。あと1、2回チャンスがあるかないかだと思いますが、そのチャンスがある限り、練習して、そのときに備えておきたいと思っています」
通常のダミーにコーンをかぶせた非常に高い壁。堀米選手の蹴るボールはこの壁を越え、ゴール右上隅に突き刺さる。
「始めた当初より感覚はつかめるようになってきました。この間(第32節/金沢戦/H/●0−1)の試合でける機会がありましたが、足がつっていて思うようなボールは蹴れませんでした。次こそはチャンスをモノにしたいです。ここからの10試合、前半で試合が決まるゲームはないと思うんです。たとえ、2−0で前半を折り返したとしても、全然ひっくり返せる。大事なのはやっぱり出ている選手がその瞬間瞬間に、とにかく全力でやれることを全てやり切ること。交代枠は5枚もあるんだから、疲れたら交代すればいい。出し惜しみをしないで、試合に臨むことが大事なんです。みんなもそうだけど、僕はベンチからのスタートなら出た瞬間から全力を出せるようにアップしているし、スタメンから出たら90分持たせようなどと考えずに、とにかく最初からできることは全部やる。今は、ベンチだろうがスタメンだろうがモチベーションに大きな変化はありません。とにかく、やらなきゃいけない、ただそれだけです」
10月9日、ホームに山口を迎える試合前日の練習開始前、選手だけの話し合いの場が持たれた。言い出したのは、堀米選手。『もう一度、共通意識を持って進もう』。そのような話から切り出したと、とある選手から聞いた。
フリーキックの練習しかり、『できることはなんでもする。そして、絶対勝つんだ』。キャプテンとしての、強い想いを感じた。
◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート