村上市の新耕農産が次世代型ライスセンターを新造【村上新聞】
村上市桃川の農業法人・新耕農産(板垣栄一社長)はこのほど、ライスセンターを新造した。板垣社長の長男で、13代続く農家の跡取りでもある同社取締役の嘉将さん(41)が勘案し、若い世代の仲間に声を掛け完成にこぎ着けた。
”農”のアイデアと”匠”の技が結実
施工したのは、富樫工務所をはじめとする地元業者ら。建物そのものは、同等規模としては全国的にもめずらしい木造で、使用した木材は村上市産材。プレカットをせず手刻みで木材を組み上げる手法や、木材を贅沢に使用した合掌造り、建物をどっしりと支える八寸柱など、職人のこだわりが秘められている。また、乾燥や籾摺、米選といった一連の作業を行うラインは、モータードライブ等の動力を最小限に抑え、重力を活用する嘉将さんのアイデアによるデザイン。「これからの農業はマンパワーの省力化も必要。エネルギーコストを削減することで、次世代型の持続可能な農業経営が描けるのでは」と話す。現在の処理能力は1日当たり水田2・5㌶分の米だが、木造と地元業者施工という強みを生かし、将来的には1日4㌶分を扱いたいという。
同世代の仲間と造り上げる未来
嘉将さんは「アイデアが現実になったのは、40歳まで在籍した青年会議所のおかげ。多くの同世代の仲間が出来て、彼らに頼ることができたから完成した。建築から電気配線などまで、すべて青年会議所で知り合った仲間の仕事」と振り返る。施工した富樫工務所の富樫淳社長は「普段の自分たちにはないアイデアも入り、挑戦となるような仕事をさせてもらった。これからも技術を磨きたい」と話していた。
村上新聞2019年9月15日号