新潟県の花角英世知事が記者会見

新潟県の花角英世知事が18日午後、記者会見を行った。

花角知事は、今月10日に決定した「新潟県行財政改革行動計画(案)」について、「計画は作って終わりではなく、しっかりと行動に移していくことが重要であり、聖域を設けずあらゆる分野の歳出見直しを行う。縮み志向ではなく、同じお金でもより効果的・効率的な運用を行い、県民生活の向上につながるよう取り組みたい」と決意を語った。

税収増に向けた中長期的取組については、「付加価値の高い産業構造を作る必要があり、食品産業などを含めた健康ビジネスや、新潟市が力を入れる航空機産業など成長性が見込まれる産業に力を入れていきたい。また、生産性の向上も重要であり、AI・IoT技術を取り入れに積極的な企業については、分野を問わず応援したい。さらに、起業・創業、新分野への進出、新製品・新技術の開発といった、新潟県の産業に活力を持たせる人・企業を応援したい」と述べた。

また、平成35年度に燕三条駅近くに開院予定の県央基幹病院のあり方(規模など)については、「県央基幹病院の整備に関する議論が始まった当時と比べると、新専門医制度の導入に加え、医療ニーズが縮小したり、医師の働き方改革が進んだりと医師を取り巻く環境に変化が生じており、もう一度検証したほうがよい。医療関係者で構成する地域医療構想調整会議で、あり方を検証し、年内にとりまとめる」と語った。また、意見のとりまとめ後については、「会議の意見(とりまとめ)を踏まえつつ、関係市町村長の意見を聞きながら最終判断していく」と話した。

税収増に向けて、「新潟県の産業に活力を持たせる人・企業を応援したい」と語っていた

政府の3か年緊急対策後の防災・減災対策について問われると、「災害に強い県土はハード・ソフトの両面で重要で、地方に有利な財政措置を十分に活用していく。さらに、対策終了後についても、国には機会を捉えて変わらぬ措置を講じるよう働きかけていく」と、防災・減災対策の重要性を強調。また、「(1丁目1番地の政策として掲げる)防災・減災対策事業の重要性は変わっていない。(1丁目1番地の政策よりも重要な)0丁目0番地の県財政再建との折り合いをつけながら進める」などと語った。

今後の農政については、「魚沼コシヒカリをはじめとする県産米のブランド力をしっかり維持する。また主食用だけでなく、加工用・業務用米にも経営の幅を広げつつ、園芸拡大にも取り組み、農業の成長産業化を目指したい」と述べた。

このほか、日韓関係悪化による県観光業への影響について問われると、状況を注視しているとしつつ、「インバウンド全体についての対策を言えば、(東南アジアなど)バランスよく色々な地域にプロモーションし、リスク分散を図ることが重要」との認識を示した。また、県内経済見通しに関して、「先行きに関する懸念材料としては、米中貿易通商問題が挙げられる。消費税増税を控える中、消費生産にどのように影響するかを含め、注意深く見守っていく」と述べた。

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財政難の新潟県で「行財政改革行動計画(案)」が決定(2019年9月10日)
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防災・減災対策については、「重要性は変わっていない。(1丁目1番地の政策よりも重要な)0丁目0番地の県財政再建との折り合いをつけながら進める」などと語っていた

 

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