新潟県産小麦100%のパンを製造する「新潟あんぱん小麦の会」が花角英世知事を表敬訪問
「新潟あんぱん小麦の会」の関係者が14日、花角英世新潟県知事を表敬訪問した。
同会は、新潟市西蒲区の小麦生産者であるひかりっこ株式会社、笠巻農産株式会社、真木農産、そしてそれを使いパンの試作に励む、新潟市内でパオ、石窯工房サフランを展開する株式会社山重で設立した会。
この日は完成間近の試作品を持って、ひかりっこの斎藤勝美社長、山重の山崎英治社長、同セントラル工場の冨田正人工場長、同営業担当の田中智之氏、2人の社長と親交のある新潟県議会議員の桜井甚一氏が知事のもとを訪れた。
ひかりっこの斎藤社長は、昨年から小麦の栽培を開始。そのきっかけについて「パンや麺類、お菓子など原料はどれも小麦で、米を抜いて第一位の主食原料になっている。なのに小麦の自給率は3~5%と、ほとんどを輸入に頼っている状況。これでいいのだろうかという気持ちから始まった。小麦の栽培は思っていたよりも大変だが、山重さんがこうして一生懸命商品化を目指してくれているので、こちらも一生懸命やろうという思い」と話した。
山重の山崎社長は「地元産の食材をパンにしたいという思いで、今までもさまざまな取り組みをしてきた。斎藤さんが情熱を持って小麦作りに取り組んでいることを感じて、私もパンの完成に向け情熱を燃やしている。工場長を含め、話題性だけでなくおいしく買ってもらえるパンを試行錯誤しながら目指している。外国産小麦と比べると難しさはありますが、それは私たちの技術でクリアしたいと思っている」と商品化に向け自信をのぞかせた。
同会はこの日、新潟県産小麦「ゆきちから」を100%使用したパンを持参し、知事に振る舞った。
パンが好きで、日頃から夫人とよくパンを買いに行くという花角知事は「手が止まらないね」と、出されたあんぱん、フランスパン、メロンパンなどを完食。「新潟県産ゆきちからは、どんなパンに向いているんですか?」と質問するなど、和やかな雰囲気の中面談は進んだ。
山重の冨田正人工場長によると、試行錯誤しながら試作を進めている最中だという。「まだ改善の余地があると思っている。現在の完成度は7~8割ほどで、年内を目標に最高の状態で店頭に並べるという意気込み」(冨田工場長)
さらに「私が作る安全・安心な小麦は、もみがらたい肥を使っているので甘さがある。その甘さと風味を生かしたパンを作ってくれるのが山重さんの技術」とひかりっこの斎藤社長。大豆の裏作として行なっている小麦栽培に成功し、農家の希望になりたいと面談を結んだ。
(文・太田広美)