新潟市沼垂で「2019秋 発酵・大醸し祭り」が開催中
味噌や酒粕のお得な「詰め放題」など
発酵の街といわれている新潟市中央区沼垂地区を舞台としたイベント「2019秋 発酵・大醸し祭り」が21日始まった。今回も、味噌製造販売の峰村醸造(株式会社峰村商店)と、清酒製造販売の今代司酒造を会場に、多くの人で賑わっている。イベントは22日まで。
発酵・大醸し祭りの目玉イベントといえば、峰村醸造の「みそ詰め放題」。1キログラム680円(税込)で発売している「越後味噌白粒」が、30秒間詰め放題というお得な催し。原材料費の高騰などが理由で、今回から200円値上がりし、700円となった。それにもかかわらず、オープンの朝10時には、蔵の周囲を取り囲むほどの行列ができていた。1時間以上待ちの状態ながら、お得に味噌が手に入るため、人気は不変だった。
今回も「4キログラム以上詰められれば、トートバッグプレゼント」という特典を用意。参加者がみな2~3キログラム詰める中、東区から来た女性が5・4キログラムを詰め上げ、見事にトートバッグを手にした。2回目の参加というこの女性は「味噌樽が入れ替わった直後に私の詰める番が来て、味噌が硬い状態で詰められたのが良かったのではないか」とホクホク顔。行列の中からも、「なんで5・4キロも詰められたの?」「すごすぎる!」などの声が飛んだ。
会場では、味噌のほかにも沼垂ビールや新潟産チーズを使ったメニューを提供する移動キッチンなど、「発酵食品」を提供していた。
峰村醸造から国道7号線を挟んで歩いて5分のところにある今代司酒造でも、酒蔵の見学ツアーや、出店が並んだ。こちらでも、「酒粕の詰め放題」を実施。1キログラム800円相当の酒粕が500円の料金で30秒間詰め放題だ。これまでの最高記録は4・1キログラムだが、これを超える参加者は取材時には現れなかった。
このイベントは2016年の秋にスタートし、毎年春と秋に開催している。沼垂地区は、北前船で県外から大豆や塩などが入りやすかった地理的な要因から、地元産のコメを使って味噌や酒造りが盛んな土地柄だった。「家計調査にみる品目別ランキング(平成28年~平成30年平均)」では、新潟市の味噌の消費量が金額と数量共に全国2位だった。ただ全国的には味噌の消費量は低下傾向にあり、味噌の文化を守ろうと峰村醸造がイベントを企画し、同じ系列企業にある今代司酒造にも参加を呼びかけた格好だ。今回も2万人前後の来場を予定している。