働く場・創業の場・観光の場として「選ばれる新潟」を目指し、新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォームが開催
新潟県は15日、第4回公民協働プロジェクト検討プラットフォームを開催し、行政や経済団体、企業、大学などの代表と担当者が今年新たに始まった公民連携の取り組みに関する報告や、コロナ禍での全国的な就労環境・就職活動の変化とそれに対する新潟県の現状などを説明した。
公民協働プロジェクト検討プラットフォームは2019年10月、従来の行政の領域では収まらない課題などについて公と民が率直に議論・協力して具体的な行動に結びつけていくための基盤として設置。これまでの会議では、地域航空会社「トキエア」や「防災クラスターの形成」などについての提案や計画がされてきた。
今回の会の冒頭挨拶で新潟県の花角英世知事は「新潟県は長年にわたり若者の県外流出などによる人口減少が続いていたが、コロナ禍の影響もあり、地方分散の流れが生まれつつある」と話し、この機会に「選ばれる新潟になることが重要」だと力を込める。そして会は、観光、就労、デジタル化と起業・創業の推進という主に3つのテーマで展開されていった。
起業分野の話題では、フラー株式会社の渋谷修太代表取締役会長が新潟ベンチャー協会の取り組みを紹介。そして現在の新潟について「起業しやすい環境は整い、起業家の数を増やすことはできているが、創業1年目から3年目という苦しい時期を支えるエンジェル投資家やメンターの不足が課題」と話す。また資金調達の環境整備や、実験のための規制緩和などの面での行政との連携強化についても語った。
意見交換の際、新潟ベンチャーキャピタルの永瀬俊彦代表取締役社長は「渋谷会長や、note株式会社(東京都港区)の加藤貞顕CEOのように、新潟は上場する経営者がいないわけではないが、県外へ出て行ってしまうことが問題。こうした人を再び新潟に呼びもどし、かつ新潟でも上場できる環境を作り上げていきたい」とUターン経営者・起業家の重要性について説明した。
このほかにも、観光の面では佐渡金山の世界遺産登録までの取り組みや、今年9月に設立された県内企業による「観光ファンド」が紹介。また就労環境の分野では、コロナ禍で変化する就活生の動向などを株式会社マイナビや、株式会社野村総合研究所らが解説し、県内経済団体と意見を交換した。
(文・鈴木琢真)