新潟県糸魚川市来海沢地区の地すべり災害、県道西側の5世帯11人の避難解除
新潟県糸魚川市は20日、今年3月に発生した糸魚川市来海沢地区の地すべり災害に関する住民説明会を糸魚川市内で開き、家屋の倒壊など被害が大きかった同地区県道西側の一部住民(5世帯11人)に対し、同日正午をもって避難解除をすることを明らかにした。
この日は、糸魚川市の井川賢一副市長や糸魚川市消防本部の小林正広消防長、新潟県糸魚川地域振興局の担当者などが出席した。
危害のおそれがある土地の範囲を糸魚川地域振興局がシミュレーションなどで確認したこと、冬期も含め、警戒避難に関する観測機器が整備されていることなどから今回の一部避難解除に至った。県道西側には7世帯17人の住民票登録があったが、今回の避難解除により、残る避難世帯は2世帯6人となった。
ただし、糸魚川地域振興局の担当者は「まだ融雪期の経験値がない。(雪解けの)2、3月は再度、避難指示発令の可能性がある」と話した。
一方、いまだ糸魚川市街地の市営住宅に避難している人に対しては、地すべり発生から1年が経過する来年の3月3日まで家賃が免除となるが、市側は避難解除対象者の融雪期の再度の避難の場合には、3月4日以降も避難期間中は家賃を免除するとの方針を明らかにした。
説明会終了後、来海沢地区の神喰重信区長が「地すべり研究会の専門家の見解を知りたい」と質問し、糸魚川地域振興局の担当者は「10月18日に第3回地すべり研究会が開かれ、融雪期の再避難を条件とした避難解除の選択肢も考えられるなどの意見が出た」と答えた。
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