「にいがたBIZ EXPO2019」が26、27日の両日に新潟市で開催

Tuberの「笑主しい(えぬししい)」

過去最多となる221社・団体が出展

産業見本市「にいがたBIZ EXPO2019」が26、27の両日、新潟市産業振興センター(新潟市中央区)で開かれた。今回は、過去最多となる221社・団体が出展。動画サイト「Youtube」で映像を配信する人間以外のキャラクター「VTuber(ブイチューバー)」や、バーチャルリアリティ(VR)など最新技術を携えた出展者も見られ、令和の新時代を象徴するビジネスのタネが満載だった。

新潟市経済部成長産業支援課のブースにお披露目したのは、VTuberの「笑主しい(えぬししい)」だ。新潟コンピュータ専門学校(新潟市中央区)と株式会社バーチャルキャスト(札幌市中央区)が共同開発したキャラクターで、展示会での登場は9月12~15日に幕張メッセで開かれた東京ゲームショウに次いで2回目。新潟県内でのお披露目は初めてだ。

この笑主しいは、VRゴーグルを顔にセットし、コントローラーを手に持った人間が、特定の空間内にいると動きが連動する。ゴーグルやコントローラー、空間内のモーションキャプチャーシステムなどが動きを把握、演算してキャラクターに反映させるためだ。インターネット上でVtuberの動画を配信する場合、容量は大きいが、次世代通信規格5Gが確立することで滞りなく配信できる環境が整う。

VTuberは、サントリーやロート製薬など多くの企業が広報手段の一つに採用している。注目度は高まっており、技術者やエンジニアの育成が急務だ。同校の担当者は「新潟発のVTuberエンジニアらを育てて、新潟をVTuber文化のメッカにしたい」と意気込んだ。とともに、笑主しいも「新潟の誰からも愛されるVTuberにして、新潟の魅力をどんどん発信していきたい」と将来を見据える。

VRは建設分野の人材育成にも生かされている。建設業の株式会社興和(新潟市中央区)は、自社ブースで人工的な斜面である法面での作業を想定したVR安全教育システムの体験メニューを用意した。「仮設足場を通って、途中『足場が一部外れている』などのトラップに対処しながら、工具を法面上の作業員に渡す」という課題をクリアするとゴールになる。ゴール後は自身の作業性や安全性が採点される。VRで臨場感を感じながら体験することで、安全性を学んでもらうのが目的。同社は「VR体験で少しでも、建設業に興味を持ってもらえれば」と期待している。

興和のブース

環境親和的な製品が並ぶのも、この時代ならでは。アイスリー工業株式会社(三条市)は自然界から採れるヨードを使った住宅洗剤などを展示。株式会社バイオマスレジン南魚沼(南魚沼市)は、地元南魚沼産の米を70%使ったプラスチックを出展した。このプラスチックは植物由来のため、製造から焼却廃棄までトータルで見た場合の温室効果ガス排出量が石油由来のものと比べて少ない。

アイスリー工業は自然界から採れるヨードを使った住宅洗剤などを展示

バイオマスレジン南魚沼は、地元南魚沼産の米を70%使ったプラスチックを出展

もちろん、ものづくり系のブースも光を放っている。有限会社エーワン・プリス(燕市)は自社が得意とする電子部品などのほか、同社が設計として携わっている「燕市フィギュアスケートブレード開発研究会」が作成したブレードも出展。出展者・来訪者ともには「これで冬季五輪に挑む選手が出ることが待ち遠しい」と目を輝かせた。

「燕市フィギュアスケートブレード開発研究会」が作成したブレード

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