新潟労働局が監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)を公表、22企業に対し合計約7,100万円の支払を指導
厚生労働省新潟労働局は29日、監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)を公表した。
県内の労働基準監督署が監督指導を行った結果、令和2年度中に不払となっていた割増賃金を支払った企業のうち、支払額が1企業で合計100万円以上である事案を新潟労働局が取りまとめた。
それによると、100万円以上支払った企業数は22企業(昨年度比16社減)で、うち1企業(前年同数)は1,000万円以上の割増賃金を支払った。
対象労働者数は前年比133人減の1,081人。支払われた割増賃金の合計額は、同4,898万円減の7,099万円だった。
支払われた割増賃金の平均額は、1企業あたり323万円、労働者1人あたり6万5,000円だった。
主な事例としては、時間外手当が適正に支払われていないという複数の労働者から寄せられた情報に基づき労働基準監督署が立入調査を実施した保健衛生業があるという。
この会社では出勤簿への押印のみで始業・終業時刻を把握しておらず、時間外労働は労働者自らが申請し、上司が承認する方法により労働時間管理を行っていた。このため、労働時間を適正に把握するための労働時間管理方法を確立することおよび時間外労働の実態調査を指導した。
この結果、企業では労働者の正確な労働時間について把握すべく実態調査を行い、不払となっていた割増賃金を支払った。また賃金不払残業の解消のために、タイムカードを導入して残業申請書とタイムカード記録とのかい離があった場合は実態調査を行うこととした。さらに職場の意識改革、業務改善に積極的に取組むとともに、労働者へのアンケートも実施、これにより業務簡素化を実現し時間外労働削減を図った。
なお新潟労働局では、11月に「過重労働解消キャンペーン」の一環として、11月6日9時から17時まで、過重労働などに関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル(フリーダイヤル0120—794—713)」を設置する。