新潟市で初となるピッツァ(ナポリピッツァ)の移動販売車が登場
ナポリピッツァ、ローマピッツァ、フィレンツェピッツァ、シチリアピッツァ――。一口にピッツァといっても色々な種類がある。このうちもちもちとした生地が特徴のナポリピッツァを提供するイタリアンレストランは市内に数軒程度しかないといわれている。そんなナポリピッツァを、薪窯を積んだ移動車で焼いて提供しているのが、「ピッツェリア カラバッジオ通り53番地」だ。薪釜はナポリで100年以上の歴史を誇るマリオアクント社製。この窯の炎の対流、炉床の伝導熱、熾火が発する遠赤外線がふわふわもちもちの食感をつくり上げている。
オーダーを受けてから、つくり始める。まずは生地を伸ばし、その上にトマトなどトッピング。それを500度近くになっている石窯の中で焼く。オーダーを受けて、1枚の焼きたてのナポリピッツァができるまでの時間が5分弱だ。
値段は、ハーブとニンニクの香りが食欲をそそる「マリナーラ」(税別800円)、イタリア産トマト、イタリア産のモッツァレラチーズ、新潟産バジルなどをトッピングした「マルゲリータ」(税別1000円)、ゴルゴンゾーラの味がクセになる「クワトロフォルマッジ」(税別1300円)と意外に安い。
今年8月に販売をスタートし、平日(正午前~15時頃)は、新潟市中央区のピアbandaiで、土曜日(19時から2時間程度)は、新潟市西区のフレンチライスで車を停めて、ナポリピッツァを提供している。また、イベントやパーティー、自宅で行われる子供の誕生会(8枚/10000円)などのほか、小学校のバザーや商業施設などにも出向いていくそうだ。
定年退職後に一念発起してナポリへ単身渡航
柄澤利衛代表(63)は大学卒業後、定年までオフィスワークの仕事に従事してきた。そんな柄澤代表がナポリピッツァと出会ったのは30代後半のときにイタリア旅行に行ったときのこと。そして、その食感と味が忘れられないまま、歳月が流れた。だが、定年退職を機に一念発起し、ナポリへと単身渡航し、ナポリピッツアのつくり方を学んだという。「定年退職の半年ほど前から、手に職をつけたいと思うようになり、ナポリへと渡りました」と柄澤代表は振り返る。そして、ピッツェリアとして世界で初めてミシュランガイドに掲載され、世界中にシェフを輩出しているナポリの名店「La Notizia」で、ピッツァのつくり方を学び、ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の認定資格を得た。
ただ当初は、年齢のこともあり、プロになれる自信はなかったという。だが、師匠から「お前はプロになれるよ」と言われた。こうした一言もあり、いったん再就職をして2年間働いたのち、今年8月、本格的にナポリピッツァの提供を始めたのだ。ちなみに移動販売車の店名である「ピッツェリア カラバッジオ通り53番地」は、修行したLa Notiziaの住所である。
「多くの子供たちに本当のナポリピッツァの味を知ってほしいと考えています」。記者から夢を訊ねられた柄澤代表は、こう話していた。