新潟市内でフグによる食中毒が発生
10月5日午後3時半頃に新潟市内の飲食店で、フグの白子の軍艦巻きを食べた家族3人のうち2人(60歳代男性、30歳代女性)が、同日午後5時半頃から口唇の渇き、舌や手足先のしびれ、下肢の脱力感、嘔吐の症状を呈し、医療機関を受診した旨の連絡が新潟市保健所にあった。
調査した結果、この食品に使用されたフグの白子は佐渡市内の魚介類加工施設「小池冷蔵」から仕入れたものであった。そこで佐渡保健所が、小池冷蔵を調査した結果、患者が食べたフグの白子は、小池冷蔵が5月から6月にかけて除毒処理し、加工したものだった。
佐渡保健所は、「フグ毒を含む可能性のある食品を食べる機会がこの食品に限られること」、「(新潟市保健所の調査から)新潟市内の飲食店がフグ毒による汚染の可能性がないこと」、「患者の尿中からフグ毒が検出されたこと」、「医師から届け出があったこと」などから、小池冷蔵を原因とする食中毒と断定した。なお患者は全員快方に向かっている。
フグ毒は、テトロドトキシンと呼ばれ、1~2mgで人を死亡させる。またフグ毒は熱に強いため、通常の調理方法では無毒化できないという。このため、県では専門知識のない人はフグ調理をしないよう、呼びかけている。
一方、今年10月11日現在の新潟県内の食中毒発生状況は件数23件(昨年同期は15件)、患者数406人(昨年同期は123人)となっている。