新潟大学が、親の負担軽減につながる小児医療宿泊施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を建設

右から二番目が新潟大学の高橋姿学長。右から三番目がドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンの木村恵美子常任理事

完成すれば全国12か所目、日本海側では初

新潟大学は13日、難病のため長期入院する子供を看病する家族が経済的負担を抑えて宿泊できる滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた」の建設に向けたキックオフ大会を新潟大学有壬記念館(新潟市中央区)で開催した。(公財)ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンに依頼したことを機に、新潟大学医歯学総合病院構内に建設することが決まった。完成すれば全国12か所目、日本海側では初となる。

子供が難病を患っていて、自宅から離れた病院に長期入院しなければならなくなったとき、親は子供の看病のため病院の近くにあるホテルに宿泊することがある。だが、経済的な負担は大きい。こうしたなか、ドナルド・マクドナルド・ハウスは、建設費や運営費を寄付で賄ったりボランティアスタッフが運営業務に従事したりすることで、安価な料金(1日1000円)で家族が宿泊できる。米国ではじまった、このハウスは現在、世界42か国に367か所ある。

日本では、東京・国立成育医療研究センターに最初のハウスが建設されて以来、宮城県こども病院、兵庫県立こども病院、埼玉県立小児医療センターなど11か所で運営されている。(公財)ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンの木村恵美子常任理事は挨拶の中で「単なる滞在施設ではない。滞在することで、社会から支えられているという実感ができると、(実際に宿泊した)ご家族からも認められている」と話していた。

またハウスのコンセプトは、「わが家のくつろげる第二の家」。患者に付き添う家族が自宅のようにゆったり過ごせるよう、プライバシーが守られるベッドルームのほか、キッチン、リビング、ダイニングルーム、ランドリー、プレイルームなどが備わっていて、食事をつくったり、洗濯をしたりすることができる。

「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた」は、新潟大学医歯学総合病院構内の康楽会館跡地に建設。規模は、2~3階建て10室。2022年4月に開設を目指す。

キックオフ大会の様子

建設費・運営費は寄付金で

ただ、建設・運営費は寄付で賄うことになる。そこで、新潟大学医歯学総合病院の関係者、県内医療関係者、新潟県知事、新潟市長、新潟商工会議所会頭、新潟経済同友会代表幹事、県内企業の代表などが発起人となり、「募金委員会」を発足し、企業や個人から寄付金を募っていくという。来年8月までに1億8000万円の寄付金を目標にしている。

新潟大学の高橋姿学長は挨拶の中で「この時点でも多くの子供が新潟医歯学病院や、がんセンター新潟病院に入院している。1日も早くハウスのある環境を、ご家族に用意したい。そのためにも絶対に(目標額を)達成しなければならない。また寄付したかいがあったと思ってもらえるもの、全国12ハウスのモデルになるようなものを作っていきたい」などと語っていた。

寄付申し込みのページ(寄付の目的欄には「ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがたの建設・運営」と記載)
https://www.niigata-u.ac.jp/university/donation/foundation/contribution/

また銀行振り込みも可能だ。なお寄付した人は、所得控除など税制の優遇措置を受ける事ができる。

ハウスへの寄付に関するページ
https://www.niigata-u.ac.jp/university/donation/dmh-niigata/

【寄附手続きに関する問い合わせ先】
新潟大学総務部サポーター連携推進室
電話025-262-6010/ファクス025-262-7796
Email kikinjimu@adm.niigata-u.ac.jp

 

一方、新潟大学医歯学総合病院は、新潟県の小児医療の中心的な役割を担っていて、平成30年度の小児科・小児外科では入院1万8016人、外来56万1625人となっている。また、近くからだけではなく、上中越地域や、山形県の庄内地方からも入院患者が少なからずいる。

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