新潟県糸魚川市が市内の来海沢(くるみさわ)地区の鳥獣被害の現状を調査する説明会を開催
新潟県糸魚川市は1日、糸魚川市来海沢(くるみさわ)地区の鳥獣被害の現状を調査するため、同地区の住民を対象にした説明会を同地区の町内会館で開いた。
この説明会は昨年実施しており、今回が2回目。この日は、糸魚川市の担当職員や糸魚川地域振興局の担当職員のほか、地区住民など約20人が参加した。調査を担当する鳥獣被害対策事業を手がける株式会社うぃるこ(新潟県長岡市)の今村舟さんが地区住民から現状をヒアリングし、現状把握につとめた。うぃるこは野生動物管理工学を専門にする長岡技術科学大学の山本麻希准教授が代表取締役を務めるベンチャー企業。
冒頭、同地区の神喰重信区長は「今年、地すべりが発生して応急工事が進んでおり、そのせいか最初あまり鳥獣被害はなかったが、(冬期間撤去する)電気柵がなくなってからは被害も出てきたようだ」と話した。
その後、ヒアリングに移り、地区の住民が「箱罠で捕えているが、今年は去年と比べてイノシシやクマの数が減っている」と報告すると、うぃるこの今村さんは「(会社の本社のある)長岡市では下に降りてくるイノシシなどが多くなっており、長岡市とは状況が違う」と話した。
また、別の住民は神喰区長が触れたように、「冬の積雪のために冬期間だけ撤去する電気柵がなくなると、田んぼにイノシシの足跡が増えた」と話したほか、神喰区長は「スズメやカラスなどの鳥が電線に止まっているのが気になる。イネや果物への被害が出ている」と話した。
うぃるこの今村さんはこの日のヒアリングを分析し、次回にどのような対策ができるかという案を提案する。次回は11月30日を予定しており、来年度の実施体制の確認を行うという。
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