10月の新潟県内の企業倒産件数は2件と過去最少、ただ今後は倒産件数が増加に転じる可能性も
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は2日、10月の新潟県の企業倒産状況(負債総額1,000万円以上)を公表した。
それによると、倒産件数は2件。前年同月比で66.7%減(4件減)、前月比では33.3%減(1件減)で、10月としては1962 年の集計開始以来60年間で1962年、2014年と並んで過去最少となった。
負債総額は1億400万円。前年同月比で94.5%減(17億8,300万円減)、前月比では67.2%減(2億1,300万円減)で、倒産件数同様、過去60年間で最少となった。
産業別では、10産業のうち、「製造業」、「不動産業」が各1件だった。原因別では、「既往のシワ寄せ」、「販売不振」が各1件で、形態別では、「破産」・「内整理」が各1件だった。
業歴別では、「30年以上」が2件。地域別では、「三条市」、「柏崎市」で各1件発生した。
負債総額10億円以上の大型倒産はなく、新型コロナウイルス関連倒産は1件だった。
東京商工リサーチの資料によると、コロナ禍における国や自治体、金融機関による資金支援や雇用要請助成金の特例措置延長などもあり、倒産は依然として低水準で推移している。だが、1年半以上におよぶコロナ禍で企業の疲弊感が募るなか、緊急避難的な支援策はいずれ終了し、支援頼みの経営維持も限界に達しつつあるという。
じっさい同社が発表した「新型コロナ」関連の経営破たん数(負債1,000万円以上、11月1日16時時点)は、今年5月に124件と4カ月ぶりに前月を下回ったが、6月は155件でそれまでの最多を記録。7月(140件)、8月(124件)も100件超えが続き、9月はこれまでの最多を更新する160件に達した。さらに10月はこれを上回る164件に達し、2か月連続で最多を更新。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除後もコロナ破たんが減少する気配はみられないという(倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計121件判明している)。
また(破たんはしていないものの)、通常では借入が難しい企業でも(コロナ禍で)資金調達ができたことから、事業規模以上の借り入れを実行した企業も少なくないという。こうしたなか、昨年秋ころから金融機関や信用保証協会の審査は平時に戻り始め、過剰債務を抱える企業、事業性評価が低い企業は、新たな資金調達の際に拒絶や減額されるケースが出ているそうだ。
緊急事態宣言などが全面解除され、消費の我慢疲れによる“リベンジ需要(消費)”と呼ばれる消費拡大の風潮も出始めているが、景気悪化やガソリン・資材価格の高騰、生活様式の変化などもあり、過剰債務を抱えている企業を中心に今後10月の新潟県の企業倒産状況されるという。