新潟市西蒲区役所へ、大澤孝司さんの拉致認定と救出を願う横断幕が掲出
新潟市西蒲区は4日、特定失踪者に認定されている大澤孝司さんの救出を願う横断幕を新調し、同区庁舎へ掲出した。以前の横断幕が掲げられてから10年以上経過し、劣化が顕著になったことによるもので、大澤さんの兄・大澤昭一さんは「これで3枚目の横断幕。この問題がいかに長引いているかの象徴でもある。(今度変える時は)『大澤孝司が帰った』というものにしたい」と早期解決を願った。
大澤孝司さんは旧・巻町(現・新潟市西蒲区)の出身であることから、同区では2002年12月から、問題解決へ向けた横断幕を掲示。2014年にも新調されているが、問題解決も拉致認定も叶わず、横断幕は今回のもので3枚目となった。
西蒲区の鈴木浩行区長は「大澤孝司さんと再開を果たす会」など関係者の集まった掲示セレモニーのなかで「1日も早い拉致問題の完全解決に向けて、みなさんと力を合わせて進んでいきたいと改めて決意した」と話した。
大澤昭一さんは「行方不明から47年が経ち、私も85歳になった。なんとか解決が間に合って欲しい」と語る。そして「新潟市の支援で3枚目の横断幕を作ってもらったが、いかに(行方不明からの)期間が長かったか。問題を解決して今後はこの横断幕を撤去し、『大澤孝司が帰った』というものに変えることができれば」と横断幕へ願いを込め、特定失踪者を拉致被害者として認定を受けられるよう、政府へ呼びかけていくことを強調した。
「大澤孝司さんと再開を果たす会」では、今後7日にも彌彦神社(新潟県弥彦村)で街頭署名活動を実施する予定である。
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