（株）リンコーコーポレーション（新潟市中央区）が２０２２年３月期第２四半期決算（連結）を発表、コスト削減で黒字転換。通期業績予想も上方修正
リンコーコーポレーション本社
株式会社リンコーコーポレーション（新潟市中央区）は５日、２０２２年３月期第２四半期決算（連結）を発表した。
売上高６２億１，７３３万５，０００円（前年同期は７１億５，７３２万８，０００円）、営業利益２，５９７万６，０００円（前年同期は３億３，５０５万４，０００円の営業損失）、経常利益１億６，２５１万９，０００円（前年同期は２億１，５２６万７，０００円の経常損失）、親会社株主に帰属する四半期純利益１億９，２２８万４，０００円（前年同期は３億９，５０９万２，０００円の親会社株主に帰属する四半期純損失）と減収ながらも、営業損益段階から黒字転換した。
コロナ禍の中、同社企業グループの事業拠点である新潟港全体の貨物取扱量は、第１四半期に引き続き前年同期比で増加し、同社企業グループの主力である運輸部門の貨物取扱量も新潟港全体と同様に増加。一方、ホテル事業部門では、依然として新型コロナウイルスの影響は続いているものの、ホテルの新たな利用機会を増やす取組みを継続し、収益の回復に努めた。
セグメント別の業績は以下の通り。
運輸部門
運輸部門と運輸系子会社４社を合わせた同部門の当期貨物取扱数量は、一般貨物が前年同期比２０．７％増、コンテナ貨物が同１．６％増となり、合計で同７．８％増加の２８８万９，０００トンとなった。前年度のコロナ禍の影響で需要が低下していた主要貨物のひとつである素材原料の一部に回復の動きが見られたことが主な要因となり、同部門の売上高は４９億６，６００万円となった。一方、経費面は、第１四半期から継続して外注費や労務コスト削減に努めた結果、４，８００万円のセグメント利益（前年同期は８，８００万円の損失）となった。
不動産部門
不動産賃貸の大口契約の終了などが影響し、売上高は１億５，７００万円、セグメント利益は８，４００万円（前年同期比１５．７％減）となった。
機械販売部門
建設機械の販売は、大型機械の販売件数が減少したため前年同期比で減収となったが、建設機械などの整備は堅調に推移した結果、同部門の売上高は３億４，７００万円、セグメント利益は１，４００万円（前年同期は８０万円の損失）となった。
ホテル事業部門
依然として新型コロナウイルス感染拡大による行動自粛の影響を受けたが、前年同期比で宿泊人数、レストランの利用人数は増加。また、宴会部門についても、飲食を伴わない宴会場の利用を促進し、収益確保に努めた結果、同部門の売上高は５億６，５００万円、セグメント損失は１億４，９００万円（前年同期は３億８，４００万円の損失）となった。
その他事業部門
産業廃棄物の処理業については、木材の廃材受入が増加したことにより堅調に推移した。保険代理店業を合わせたその他事業部門の売上高は１億６，８００万円、セグメント利益は４，２００万円（前年同期比１３５．９％増）となった。
その他
建設資材販売のうち、セメント系商品を納入する工事案件が前年同期比で減少した結果、同部門の売上高は４，１００万円、セグメント利益は４００万円（前年同期比７５．２％減）となった。
一方、同日、８月６日に公表した２０２２年３月期の通期連結業績予想を上方修正した。また、期末配当は当初未定としていたが、通期業績予想の上方修正を受け、１０円の期末配当予想に変更すると同日発表した。
売上高はそのままとし、営業利益を３，０００万円から４，０００万円（１，０００万円増）、経常利益を１億７，０００万円から２億３，０００万円（６，０００万円増）、親会社株主に帰属する当期純利益を９，０００万円から２億７，０００万円（１億８，０００万円増）にそれぞれ上方修正した。
２０２２年３月期上期は、主力の運輸部門を中心に当初の見込みを上回り、当初予想に対して増益となった一方、下期はホテル事業部門ではワクチン接種と行動制限の緩和による効果が期待されるものの本格的な需要回復までは時間を要すると見込んでおり、運輸部門の今後の取扱貨物の動向も考慮した結果、通期の売上高、営業利益は前回予想並みに推移する見通し。
また、経常利益については、雇用調整助成金の受給などにより前回予想よりも増益を見込むほか、特別損失として前回予想で想定していた投資有価証券評価損について、株価の動向を勘案して今回の修正予想で見込まないことから、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となる見通しで、今回の利益の上方修正となった。
