新潟県・燕三条地区で「燕三条ものづくりメッセ2019」が開会
国内外から過去最多となる262社・団体が出展
今年で第6回目となる日本海側最大級の工業系見本市「燕三条ものづくりメッセ2019」が燕三条地場産業振興センター(新潟県)が17日開会した。主催は燕三条地場産業振興センターで、共催は燕市、三条市、燕商工会議所、三条商工会議所。今回は国内外から過去最多となる262社・団体が出展している(このうち海外出展企業は13社でこちらも過去最多)。会期は18日まで。2日間で1万3000人の来場者をめざしている。
注目を集めていたのは、金属加工や金型の製作を手掛ける武田金型製作所(新潟県燕市)のマジックメタル。武田修一・代表取締役が自らマジックメタルを実演。ボタンを押すと金属板から文字がスムーズに迫り出してくる様子に、ブースを訪れた人々は驚きの様子を浮かべていた。
またブースに、家庭用の照明器具の部品、東南アジア市場向けのスプーンやフォーク、自動車関連部品などの金属加工製品を並べ、来場者にPRしていた。
長岡造形大学(長岡市)は、農家や高齢者の移動手段として開発を進めている電動スクーター「地産地消モビリティ」を展示。このスクーターは、荷台が広く様々な用途で活用できるだけでなく、原付と同じ操作系で、前輪2輪・後輪1輪という特性を活かし、農道やある程度の雪道でも安定して乗ることが可能だという。現在、実用化に向けて、バッテリー性能及び馬力の向上に取り組むとともにコスト低下を目指しているという。
企業向けに格安な電力プランを提供している新電力のエネット(東京都港区)は、同社サービスをPR。株主でもある東京ガス・大阪ガスなどが所有する発電所(全国200か所以上)などを電源として確保し電力を供給。新潟県での契約件数は既に約3000件にのぼり、北陸地方の近隣県と比較しても高い実績を上げているが、製造業の多い本県にとって電気代を含むコスト削減は非常に重要な経営課題といえる。
鍛造部品の製造を手掛ける丸富五十嵐製作所(新潟市南区)は、地元月潟の刃物鍛冶の技術を活かしながら自動車関連の製品作りに取り組んでいる。この日は、取締役社長である五十嵐信博氏のアイディアで、同社の鍛造製品を組み合わせて作ったオブジェなどを展示していた。ただ製品を1つ1つ展示するだけでなく、オブジェとして展示することで、注目をしてもらおうという戦略。じっさい来場者の関心を集めていた。
旋盤加工を手掛けるイワセ(燕市)は、台湾企業の佳諾電熱科技有限公司の製品「どこでも給湯器」(100V、製品名HC1460JB)を展示している。この給湯器の特徴はタンクレスで設置場所を選ばず、速やかにお湯が使えること。じっさいに蛇口をひねってもらうと、すぐに暖かいお湯で手を洗うことができた。こうした小回りが利く特性を活かし、工事現場の仮設事務所や農作業ビニールハウス内などで活用されており、キャンピングカーなどにも設置可能だという。
イワセと佳諾電熱科技有限公司の出会いは、2年前に都内で開催された国内外の中小企業が一堂に会する「新価値創造展」だという。当初はイワセが佳諾電熱科技有限公司の製品を販売するのみであったが、今では佳諾電熱科技有限公司を介してイワセの旋盤加工技術を活かした様々な製品が台湾で販売されているそうだ。
3Dプリンタの販売及び3Dプリントサービスを手掛けるシーキューブ(新潟市中央区)は、3Dプリンタで加工した製品の展示及びスキャナーでの読み込みの実演を行っていた。3Dプリントサービスは現在、顧客から様々な要望が寄せられており、これに合わせて同社の3Dプリンタは、硬質なプラスチック、グリップに用いられる柔軟な素材のほかに、耐熱素材など様々な製品の加工に対応しているという。
また、3Dスキャナーの実演も行っていた。こちらは、ブルーレーザーを用いることで、反射しやすいものも容易にスキャンすることが可能という。