「大嘗祭」へ塩引き鮭 村上の職人ら丹精込め共同製作

出来栄えの良い3匹を宮内庁へ持参

 天皇陛下が一代で一度だけ臨む「大嘗祭」が来月14日の夕刻から未明にかけて古式に則り挙行される。村上の塩引き鮭が庭積の机代物として共納することとなり16日、永徳(同市塩町)で、村上鮭加工業組合が塩引き鮭の共同製作を行った。

 「大嘗祭」は、天皇陛下が御即位後初めて行う新嘗祭のことで、その年の新穀を天皇陛下が天照大神および天神地祇にお供えになり、自らも召し上がる、一代一度の大祭。祭場は、東の悠紀、西の主基と称し、神に奉る新穀を国々から招す。村上の塩引き鮭は、悠紀に捧げられる新潟県5品目の一つで、ほかに柿、里芋、蓮根、乾しいたけがある。

 当日は、同組合の7社(永徳、うおや、又上、マルト鮮魚、総合食品さいとう、村上魚市場、新潟漁協岩船港支所)9人が参加。朝、三面川下流で捕れたばかりのオス鮭5匹(3.0~4.1キロ)を三面川鮭産漁協から調達した。

 はじめに永田政義会長が「名誉なことで、身の引き締まる思い。最高の塩引き鮭を作りましょう」とあいさつ。5人の職人が手際よく包丁をさばき、うろこを削ぎ、止め腹にしてわたを取り出すと、笹川流れの塩をふんだんに使い、鮭全体にすり込んでいった。

 鮭は、塩が均等に回るよう5日間ほど冷蔵庫で寝かせ、水洗い。その後、2週間ほど乾燥させ出来上がる。納入指定の日の来月12日には永田会長、伴田宏副会長、事務局の藤山照夫さんの3人が出来栄えの良い3匹を村上から宮内庁へ直接持参する予定になっている。

塩引き鮭を手に参加者らが記念撮影

手際よい包丁さばきで塩引き鮭を作っていった

村上新聞2019年10月20日号

村上新聞

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