一正蒲鉾株式会社(新潟市東区)が2022年6月期第1四半期決算(連結)、原材料価格やエネルギー価格の高騰など様々なコスト増が響く
一正蒲鉾株式会社(新潟市東区)は12日、2022年6月期第1四半期決算(連結)を発表した。売上高は71億3,900万円(前年同期は78億4,300万円)、営業利益は△2,500万円(同1億6,600万円)、経常利益は△300万円(同1億7,700万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,600万円(対前年同期比△42.0%)となった。
なお同社では、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用。2022年6月期第1四半期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、売上高の対前年同四半期増減率は記載していない。
当第1四半期連結累計期間である2021年7月1日から9月30日においては、すり身価格をはじめとした原材料価格やエネルギー価格の高騰、また人手不足を背景とした人件費の増加など、様々なコストが上昇し、一正蒲鉾グループを取り巻く経営環境は厳しさを増した。
このような状況のもと、同社グループでは、「ICHIMASA30ビジョン」(一正蒲鉾が2045年度のありたい姿)を目指し、2021年7月から2026年6月までの第二次中期経営計画の初年度を迎え、「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ『成長軌道』を確実に実現する」を基本方針として経営課題に取り組んでいるという。
セグメント別の事業概況は以下の通り。
水産練製品・惣菜事業
主力商品群のカニかまは、魚肉たんぱくが手軽に摂れる食材として浸透し、健康志向の高まりが続いる。その中でも、期間限定商品「サラダスティック枝豆風味」は夏のおつまみ需要を取り込み好評だったという。また、良質な魚肉たんぱくが摂取でき、食べ応えのある「大ぶりカニかま」も好調に推移した。
おでん商材については、8月・9月においては雨天や秋雨前線、台風の影響で気温が例年より低めに推移し、調理済おでんや揚物の需要が高まった。
利益面においては、新型コロナウイルス禍に伴う巣ごもり消費の拡大や世界的な健康志向の高まり、また新興国の経済成長により水産加工品需要が増加し、すり身価格は依然として高値の状況が続いているほか、食油・卵価格の値上がりや、エネルギー単価の上昇もあり、前年同四半期を下回る結果となった。
以上の結果、当セグメントの売上高は61億7,900万円、セグメント利益は△1億2,000万円(前年同四半期は△4,100万円)となった。
きのこ事業
当第1四半期の前半は気温が高めに推移し野菜の生育も順調であったことから、野菜市場価格およびきのこ市場価格は低調となり、前年の巣ごもり需要の反動も重なって、きのこの販売については厳しい環境となった。一方、8月中旬の日照不足と気温の低下による野菜の生育不調により相場は前年を超え、きのこの需要増につながった。
生産面において一正蒲鉾は、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努めるとともに、販売面については、家庭内調理の需要の高まりを受けてメニュー提案を強化し需要喚起を図った。
利益面においては、きのこ市場価格の下落により前年同四半期を下回る結果となった。
以上の結果、当セグメントの売上高は8億3,300万円、セグメント利益は8,400万円(前年同四半期は1億8,400万円)となった。
その他
運送事業においては、新規顧客開拓による売上高増加により前年同四半期を上回ったが、燃料価格高騰および設備投資による減価償却費の増加により、利益は前年同四半期を下回る結果となった。
倉庫事業においては、前年を上回る新規入庫を獲得し、売上高は前年同四半期を上回ったものの、原油高騰による電力コストが増加し、利益は前年四半期を若干下回る結果となった。
以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は1億2,700万円、セグメント利益は800万円(前年同四半期は2,500万円)となった。