新潟市が設置する「(仮称)古町地区将来ビジョン懇談会」が開催される
来年3月に古町の将来ビジョンを公表
24日、新潟市中央区のNEXT21で、第一回「(仮称)古町地区将来ビジョン懇談会」が開催された。
新潟市の旧市街であり、堀や小路など「みなとまち」としての歴史・文化を残す古町地区であるが、近年は万代での商業集積や新潟駅前の開発が進んだ結果、経済的な地盤沈下が進んでいた。さらに2020年3月には、新潟三越が閉店する。一方では同年5月に、旧大和デパート跡地に古町ルフルの開業が予定されており、今現在、古町地区は大きな変革の時期にある。
このように変革を迎える古町地区について、そこに関わる多くの関係者と今後目ざすべき将来の姿を共有し、「(仮称)古町地区将来ビジョン」を策定するのが懇談会の目的だ。策定主体となる新潟市が、学識経験者、古町活性化まちづくり協議会員、古町地区の事業者やNPO関係者ら9名を委員として招聘している。
2020年3月までに3回の懇談会を経て古町地区の将来ビジョンを公表する予定だが、今現在「仮称」となっているのは、そのビジョンのネーミングも含めて懇談会で策定する予定のため。また懇談会で議論される予定の「古町地区」は、「古町花街エリア(古町7丁目から8丁目)」「柾谷小路エリア」「古町モールエリア(古町5丁目から6丁目)」「本町エリア(本町6丁目)」「上古町エリア」の5つに分けられるエリア一帯だが、こうしたエリア分けやエリアの範囲も、懇談会の議論によっては修正されたものになる見込み。
24日の第一回懇談会では、座長に都市計画などを専門とする西村幸夫東京大学名誉教授が選出され、新潟市の事務局より古町地区の歴史や現状についての説明がなされた後、各委員よりビジョンが目ざすべき方向性についての意見が出された。出された意見の一部のみを挙げると、次の通り。
「古町辺りはすばらしくても、その裏は空家であったりする。こうした空家対策やBRT問題を解決することも含めて考えないと、ビジョンを描いても意味がなくなる」
「どういう人を集めたいのかというターゲットと人の流れ、また古町に住むという点をどのくらい扱うのかというのも大事になってくるだろう」
「ビジョンを策定しても、それに拘束力がないのは心配だ。多少なりとも具体化した計画なりが必要だろう」
「そもそも古町をどうしたいというのが決まらないまま、10年経っているのではないか。核となるテーマをちゃんと決めないといけない」
「交流人口の増加は大事だが、それだけでよいわけではないだろう。まず新潟の人が、自分たちの町をもっと好きになるような施策も必要ではないか」
「古町にはすでに活動している人もたくさんいて、それをどうまとめるかということも大事になってくるだろう」
「ターゲットの話になると、いろいろな業種が店を構える古町はバラバラになってしまう可能性がある」
「デザインやネーミングによって、外への発信力はぐっと高まる。そこは軽々しくではなく、慎重に議論して決めた方がいい」
「新潟から古町までの誘致は弱い。ほかの都市が運賃100円のバス輸送で対応しているようなところを、古町まで2倍の200円というのはやはり高い」
第一回の議論を踏まえて新潟市の事務局は、イメージパース(できあがり予想)を作成する。このイメージパースをもとに、12月19日(木)に開催される第二回懇談会では、将来ビジョンの素案や、エリアごとの将来像のラフイメージを議論する予定。
なお、同懇談会で議論された内容については、後日新潟市のWebサイトでも公開される。
【「(仮称)古町地区将来ビジョン懇談会」の開催日程】
第一回/2019年10月24日(木)
第二回/2019年12月19日(木)
第三回/2020年2月中旬~下旬を予定