開志専門職大学(新潟市中央区)が同学主催のビジネスコンテストを初開催、一次審査を突破した9グループが企業関係者を前にプレゼン
開志専門職大学(新潟市中央区)が13日、同学の学生を対象とした「ビジネスアイデアコンテスト」の本戦審査会を開催し、一次審査を突破した学生たち9グループが県内30社から来場した審査員を前にプレゼンテーションを行った。上位入賞者は、同学のベンチャーファンドからの援助を受ける権利を獲得し、在学中に起業することもできる。
開志専門職大学が主催するものとしては初めてのビジコンとなる今回は、6月15日から公募を開始。同学の事業創造学部のみならず、情報学部やアニメ・マンガ学部からもエントリーがあり、総勢23チーム・31人がしのぎを削った。
1次審査を突破した9グループは、企画内容とプレゼン能力に磨きをかけた上で教師陣と企業関係者の前に立ち、自らが実現したい社会の姿と、練り上げた事業計画について語った。
今回グランプリに輝いた古津瑛陸さんたちのグループでは、フードシェアリングについての事業を発表。新潟駅周辺の店舗の調査を通じて抽出した課題を元に、店舗や消費者が自らの利益を求める行動のなかで、無意識に食品ロスを減らせる掲示板アプリを提案した。
開志専門職大学の北畑隆生学長は、グランプリ選定の理由について「プレゼンテーションの上手さ」を挙げる。「アイデアの着眼点の良さや新鮮さ、それをどう解決し、事業として持続させるか、という点を全て達成しても、説得力のある話ができなければ事業としては成立しない。一緒に事業をする仲間や、金融機関・投資家、顧客へ対しても説得力が必要。今回の発表者はみな高いレベルだったが、(古津さんは)特によくできていたというのが審査員のなかで一致した」。
また今回の本戦全体を通して「20世紀型の大量生産・大量消費で生まれるロスを解決しようという着眼点が多かった。大変素晴らしい先見性と問題意識」(北畑学長)とも評する。
またコンテストの合間には、ポスターセッションも実施。学生たちはこの機会に企業関係者へ直接対峙して自らのアイデアを説明しつつ、事業計画へのアドバイスも受けた。
事業創造学部の紺野愛貴さんは、アニメ・マンガ学部の学生たちからクリエイター業界の競争の激しさという課題を聞き、学部間で連携したクリエイター総合支援会社の設立を考える。
紺野さんはポスターセッションの中で「企業の方々からは、対面で学生クリエイターと商談ができるという点を評価してもらった」と話し、「学生の若い力と学部の専門分野の力をうまく融合させ、ぜひ事業化を目指していきたい」と次回開催への参加にも意欲を燃やした。
なお紺野さんのグループは、学部間連携や総合大学ならではの強みといった点で北畑学長から「(現状の)学部の総合性の弱さについて、本来であれば我々教員が考えるべきところであるが、学生たちから気がつき、提案してもらった。非常に心強い」と評価を得た。
グランプリとなったグループや上位に入賞したグループは、開志専門職大学のベンチャー投資ファンド「開志エンジェルファンド1号」から出資金や準備金の支援を受ける権利を獲得する。
今回グランプリに輝いた古津さんたちのグループはもちろん、社会課題の解決に向けて思考を続ける彼らには今後も注目していきたい。
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