新潟市北区で特産品としての確立を図る「しるきーも」
濃厚な甘さと絹のようななめらかさが特徴のサツマイモ
新潟市北区で生産されているサツマイモが11月に旬を迎える。シルクスイートという品種で、濃厚な甘さと絹のようになめらかな食感が特徴であることからブランド名は「しるきーも」。北区特産品として確立しようと、その取り組みが加速している。
これまで北区では葉タバコの栽培が盛んに行われていたが、日本たばこ産業(JT)による葉たばこ廃作の動きによって、ほとんどの農地が耕作放棄地となっていた。そこで、その農地を活用して特産品を開発しようと、商工会、観光協会、行政などが「北区特産物研究協議会」を設立。水はけの良い砂丘地の特性を生かして、シルクスイートの栽培を24年に開始した。栽培を始めてからは年々生産量を増やし、昨年度は50トンほどを出荷している。
「しるきーも」の美味しさを知ってもらおうと、北区にある新潟医療福祉大学や製菓店と連携した商品開発で、認知拡大にも力を入れてきた。ここ数年は、授業の一環として学校の敷地内でシルクスイートを栽培している笹山小学校との企画を進める。児童たちのアイディアを北区の飲食店が商品化。毎年、新潟伊勢丹の「NIIGATA越品」にも出品している。
地域特産品としての確立を目指す
北区の農産物として浸透しつつある「しるきーも」だが、広く普及させるためには量の確保が必要不可欠だ。収穫後、甘さを引き出す為にひと月ほど寝かせるが、その保管方法は難しく腐ってしまうものも少なくない。そこで、保管庫を改修するとともに、その他問題点の洗い出しから対策を講じ、出荷量の安定を図るという。
また、地元スーパーでの取り扱いを増やし、食品関連の見本市で取引先を開拓するなど、販路拡大への取り組みも進んでいる。北区の担当者は「地域ブランドとして根付くよう、地元の方々との連携で波及していきたい」と話す。