新潟県小千谷市で第59回新潟県錦鯉品評会が開催
新潟県と新潟県錦鯉協議会は26、27の両日、新潟県小千谷市の総合体育館コミュニティプラザで、第59回新潟県錦鯉品評会を開催した。新潟県錦鯉品評会は半世紀以上の歴史を誇り、日本国内でもトップクラスの錦鯉品評会。今年は小千谷市、長岡市、魚沼市などの計82業者が、計753尾の錦鯉を出品。審査された品種は全13分類にのぼった(紅白、大正三色、昭和三色、写りもの、光り無地、金銀鱗(A)、金銀鱗(B)、五色・衣、浅黄・秋翠、変り鯉、光り模様、ドイツ鯉、丹頂)。
27日は、出品された錦鯉の一般公開のほか、前日の審査に基づく表彰式が開催され、会場内には日本人のみならず外国人バイヤーの姿も見受けられた。
トップの全体総合優勝第1席(農林水産大臣賞)を受賞した鯉は、伊佐養鯉場(小千谷市)が出品した錦鯉(品種:紅白、第80超部。第80超部とは、体長80cmを超える規格をいう)だ。審査講評で、ボリュームのある堂々とした体形で、整った緋模様が美しく、風格と品質を兼ね備えた鯉と評された。
次席の全体総合優勝第2席(水産庁長官賞)を受賞した鯉は、大日養鯉場(小千谷市)が出品した錦鯉(品種:昭和三色、第80超部)だ。昭和三色は黒地に赤や白の模様がある品種。審査講評では、伸びやかな体形で墨の中の鱗模様が目を引く美しい鯉と評された。
表彰式では、新潟県錦鯉品評会の会長を務める星野伊佐夫氏(新潟県議会議員)が主催者挨拶を行い、「異常気象に見舞われたにもかかわらず、出品されたいずれの作品も大変立派で、甲乙つけがたい立派な鯉でした。今後も、生産者や愛好家の方々が努力を重ね、作品が一層素晴らしいものになることを願います」と述べた。
この後の来賓の挨拶に続いて、全体総合優勝第1席、第2席を始めとする各賞を受賞した養鯉業者の授賞式が行われた。受賞者を代表して、あいさつに立った伊佐養鯉場の伊佐典子さんは、「全体総合優勝第1席並びに農林水産大臣賞をいただき、感激で胸がいっぱいです。生産者一同、原産地の誇りを持ち、これからも精進してまいりたい」と謝辞を述べていた。
錦鯉の発祥地は新潟県古志郡二十村群(現在の長岡市、小千谷市、旧山古志村、旧広神村に分村)で、約170年前にマゴイから突然変異により出現したコイを改良したものが始まりと言われている。新潟県は錦鯉を「県の観賞魚」と位置付けており、5月に新潟市で開催されたG20農相会合や、9月に中国・北京市で開催された2019北京国際園芸博覧会など国際的なイベントで錦鯉をPR。
さらに、2月7日には自民党有志による錦鯉文化産業振興議員連盟が発足、錦鯉を国魚に指定する議論が持ち上がるなど、錦鯉を国際的にPRする機運が様々な形で高まりつつある。
なお、会場入り口手前では、地元の国際交流組織である小千谷・海外留学生支援協議会(小千谷市)が、アメリカ・テキサス州在住のデザイナーで、昨年冬、小千谷市に約1か月半にわたり留学というジェシカさんがデザインした錦鯉ピンバッジを販売。売り上げはジェシカさんが留学当時に交流していた市内の福祉事業に寄付するという。