新潟財務事務所が県内経済情勢についての定例記者会見
個人消費は回復、雇用情勢は改善、生産活動の回復に一服感
財務省新潟財務事務所が県内経済情勢報告を行い、新潟県の経済について「生産活動に一服感がみられるものの、回復しつつある」と総括判断した。この判断は、四半期ごとに行われる同判断において7期連続。
財務事務所の発表によると、全回7月の判断に続いて個人消費は回復し、雇用情勢は改善傾向にある。一方、生産活動については回復の動きに一服感がみられるが、これも前回と同じ。
個人消費については、百貨店・スーパーの販売額が7月~8月の前年同期比で▲2.7%と伸び悩んだ。ただしこれは全国規模の減少であり、9月単月では連休中の来店客数の増加や消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響により、前年と変わらない水準に持ち直した。
個人消費で特に好調だったのが、新車販売だ。県内の新車登録届出台数は普通車、小型車、軽自動車の合計で前年同期比+8.9%。ただしこれは駆け込み需要の影響ではなく、安全性を求める消費者マインドと各メーカーの新車投入効果が大きかったという、自動車販売会社の見方がある。
雇用情勢については、県内の8月の有効求人倍率が1.59倍。前年8月の1.71倍に比べるとやや低下傾向にあるものの、依然として高水準が続いている。
生産活動については、消費税率引き上げの対象ではなく、駆け込み需要もないとみられる食料品が好調だった。業種別生産指数でみると、食料品は前年同月比で7月に107.7%で、8月は108.9%。高付加価値品の動きが好調だったようだ。一方、特に落ち込みが大きかったのが、電気・情報通信機械であった。7月は前年同月比で89.5%、同じく9月は92.9%。
10月は消費税率引き上げという大きな出来事があったが、駆け込み需要とその反動減の影響は、前回2014年の税率引き上げ時に比べて小さいようである。景気は回復を続けることが期待されるが、消費税率引き上げによる消費者マインドの動向と、台風第19号による県内経済の影響には、今後も留意が必要とみられている。