闘牛と錦鯉と伝統文化を楽しむ会(長岡市)が新潟県の伝統文化を味わう見学会を開催
新潟県の伝統文化をPRする交流団体、闘牛と錦鯉と伝統文化を楽しむ会(篠田康弘会長、総勢10人)は3日、新潟県の小千谷市と長岡市山古志地域を回り、錦鯉や闘牛に関連する観光施設への見学会を開会した。
この日、会長を務める篠田康弘氏は、参加者3人を伴い、松田養鯉場(新潟県長岡市)や錦鯉の里(新潟県小千谷市)を見学した後、約250年の歴史を持つ老舗料亭である東忠(新潟県小千谷市)で昼食をとり、山古志闘牛場(新潟県長岡市)で今年最後となる牛の角突き、いわゆる闘牛を観戦した。
松田養鯉場は、今年春に生まれたばかりの錦鯉を含めて数万匹の錦鯉を養殖。2017年の新潟県錦鯉品評会で県知事賞(第15部の部優勝。15部は15cmを超えて20cmまでの部門)を獲得した実績を持つ。錦鯉のシーズンであるこの時期には、毎日のように海外からバイヤーが訪れるという。
錦鯉の里は、錦鯉の歴史や品種、飼育方法などを紹介する施設。さらに、室内の鑑賞池では様々な種類の錦鯉を鑑賞できるほか、屋外には大小の滝や橋を配した日本庭園があり、庭園の池を泳ぐ錦鯉を堪能できる。篠田会長は、錦鯉のPRについて「錦鯉は水槽の中を泳ぐ単なる観賞魚ではなく、日本庭園という我が国固有の文化を構成する重要な要素。PRの仕方を工夫し、県内外の多くの人にこの素晴らしい伝統文化を広めたい」と語っていた。
老舗料亭である東忠は、長岡藩の家老である河合継之助が北越戊辰戦争の和解交渉の決裂後、交渉の場である慈眼寺を出て立ち寄った料亭だ。料亭では、広々とした個室で小千谷の伝統料理が堪能できる。
山古志闘牛場は今年最後の闘牛が開催された(千秋楽)。闘牛場は約400人の観客で満員状態となった。来賓には、衆議院議員の泉田裕彦氏が出席。終盤の取組では、泉田氏が自ら、牛を引いて退場する場面が見られた。
牛同士の戦いは、静かに間合いを読みあったかと思えば、次の瞬間には激しくぶつかるなど目まぐるしく変化。牛を指揮・鼓舞する勢子(せこ)と呼ばれる人たちだけでなく、時には柵の周りにいる観客も命がけの真剣勝負だ。この闘牛の最大の特徴は、「引き分け」を原則とする点。これは、家族の一員として大切に飼育している牛を勝敗が決するまで戦わせず、大きな肉体的・精神的ダメージを負うことを極力避けるための措置だ。
また、山古志闘牛場の土俵内は伝統的に女人禁制であったが、これを昨年から緩和。試合終了後に牛を退場させる引き回しを、女性が担えるようになった。女性の闘牛愛好会である山古志角突き女子部の森山明子さんも引き回しを務める1人。森山さんは、闘牛の魅力について「角突きの際には荒々しく勇敢な姿を見せる牛ですが、普段は甘えてくる可愛らしい一面もあります。このギャップが魅力の1つです」と語っていた。
また、この日、山古志角突き女子部は独自に販売ブースを設けて様々なグッズを販売していた。
国内では現在、新潟県を含む全6地域(沖縄県、鹿児島県徳之島、愛媛県宇和島、島根県隠岐の島、岩手県久慈)で闘牛が開催されている。この中でも、新潟県の闘牛は古い歴史を持ち、この歴史を証明する資料が残っているため、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
【松田養鯉場】
住所/新潟県長岡市横枕町245-1
電話番号/0258-37-2222
【錦鯉の里】
住所/新潟県小千谷市城内1丁目8番22号
開館時間/3月から11月まで:午前9時から午後6時まで
12月から2月まで:午前9時から午後5時まで
入館料金/個人:小中学生300円、大人510円
団体:小中学生250円、大人410円
小学生未満は無料
電話番号/0258-83-2233
【山古志闘牛場】
住所/新潟県長岡市山古志南平乙986
開場/午前10時 開会/午後1時
料金/1人 2,000円(高校生以上)全国のコンビニエンスストアーでチケット購入可
電話番号/0258-59-3933(山古志闘牛会)
0258-59-2343(山古志観光協会)
【東忠】
住所/新潟県小千谷市元町11-11
電話番号/0258-82-2033