東日本大震災の避難者のための「交流・相談・説明会」が新潟市内で開催
東日本大震災から8年7カ月が経つ今も新潟県では約2400人が避難生活を送っている。こうしたなか、新潟県は4日、避難者への情報提供、相談機会の提供、避難者同士の交流などを目的に「ふるさと“絆”交流会」を開催した。
交流会では、福島県(避難者支援課)が、新潟で避難生活を送る福島出身者に向けて、県の避難者支援の取り組みを説明した。説明によると、福島県では「交流・相談支援」「ふるさとの情報の提供」「帰還・生活再建支援」「相談窓口の整備」の面から、避難者支援を行っている。
交流・相談支援では、避難者の多い都道府県に県職員を派遣し、避難先自治体との連絡調整や避難者の相談などにあたっている。派遣職員は新潟を含む14都府県に11人派遣している。また、新潟を含む9都県に県外復興支援員を配置。新潟では、(公社)新潟県社会福祉士会に委託して10人を配置、派遣職員とともに避難者を戸別訪問している。さらに、全国26か所に「生活再建支援拠点」を開設していて、新潟県では新潟市中央区東中通に生活再建支援拠点「コランショ」を開設している。
情報提供では、日刊紙である「福島民報」と「福島民友」を避難先の公共施設に送付しているほか、避難者に避難元自治体の広報誌などを個別送付している。
帰還・生活再建支援では、応急仮設住宅の提供や家賃補助などを行っているほか、二重生活となっている家族との再会や一時帰宅のため高速道路の無料措置などを行っている。
このほか、原発事故の損害賠償、就職、子育て、学校などに関する相談窓口を整備しているという。
県の説明後は、質疑応答。まず事前に寄せられた意見・質問・要望(13問)に対し、担当者が回答していた。「高速道路の無料措置について来年度もお願いしたい」という要望に対しては、「令和2年3月31日までの実施となっておりますが、福島県としては、それ以降についても、延長措置を講ずるよう、国に要望しているところです」と回答していた。
また、「福島県の県外避難者に対して行っている支援策は何を行っている? 効果があるのか?」などといった質問に対し、先述の福島県の取り組みなどを紹介したうえで、「避難生活の長期化などにより、避難している方々の課題が個別化・複雑化していることを踏まえ、個々の事情を伺いながら丁寧に対応してまいります」などと回答していた。
その後、参加者からの質問。「福島県の県外避難者に対して行っている支援策の効果については、国会の答弁のようなものではなく、YESかNOで聞きたい」といった声などがあがっていた。
なお、会場には交流サロン、楽器や小物手づくりの体験コーナー、相談ブース、健康相談コーナーが設けられ、親と一緒に参加していた子どもたちが楽しんでいた。
福島県の県内・県外避難者は、県内避難者1万822人(9月30日現在)、県外避難者3万1287人(9月6日現在)、避難先不明13人の合計4万2122人となっている。