「道路は“思い”を運ぶ」〜日本海夕陽ラインシンポジウム【村上新聞】
日本海沿岸東北自動車道(日沿道)のミッシングリンク解消や、高速交通インフラがもたらす様々な変化、日沿道全線開通後の地域連携について考える「第31回日本海夕陽夕陽ラインシンポジウム」が10月27日、村上市瀬波温泉の汐美荘で開かれた。
1988年にスタートしたこのシンポジウムは、日沿道沿線にある20の青年会議所(JC)が主管となり、「日本海夕陽ラインネットワーク協議会」主催として続けられているもの。今回は、村上市岩船郡で運動を展開する(一社)いわふねJCが主管を務め、地域住民をはじめ、各種業界関係者、国・県・市町村の議員や行政関係者など、総勢約230人が集い、全線開通することで可能となる地域間の連携や道路利活用について考えた。
はじめに、同協議会長の齋藤広樹いわふねJC理事長が「“道路とは何か”と考えた時、人や物を運ぶだけでなく、過去から現在、そして未来へ人の思いや思い出を運ぶものだと気づいた。このシンポジウムが思いを明日へつなぐと確信しています」とあいさつ。来賓らの祝辞に続き、株式会社きっかわの吉川美貴専務取締役が基調講演。同社の社長で観光カリスマでもある夫・真嗣氏と手掛けてきた村上の歴史や人々の知恵を敬い、受け継ぐことで活用してきたまちづくりの事例を紹介し、高速道路の恩恵を最大限に生かしながら地域連携を成功させるために大切なことを説いた。
シンポジウムの企画・運営を担当した、いわふね青年会議所の地域振興・防災担当委員会、佐藤勇介委員長は「高速道路をつなぐことを目的に続けられてきたシンポジウムも、現在は“つながる”ことが具体化し、ミッシングリンク解消前後の地域連携を考えるものに変わってきた」とし「今回は、この地域で活躍されている方を講師においでいただき、その活動からヒントを得るような時間にした。将来、高速道路を使う世代である子どもたちとも時間を共にすることができ、得るものが多かったと感じている」と振り返っていた。
村上新聞2019年11月3日号