“発酵”に親しんでもらうためのイベントが新潟県長岡市で初開催
アオーレと摂田屋で“発酵のまち”をアピール
食品を味わったり、セミナーや実験をしたりなどして、より“発酵”に親しんでもらうためのイベント「HAKKO trip(発酵トリップ)」が、新潟県長岡市で9日に開かれた。同市は、日本酒やしょうゆ、みそといった発酵食品を作る蔵が6つある「摂田屋地区」をかかえ、市内各地にも蔵があることから「発酵のまち」としてPRを展開しており、このイベントもその一環として初開催された。
イベントの会場はJR長岡駅前のアオーレ長岡と、摂田屋地区。アオーレ長岡では、江口だんごや栃尾あぶらげといった地元飲食店が、株式会社越のむらさきや株式会社星野本店など市内の発酵食品メーカーが作る醸造品とコラボレーションしたメニューを提供。地元の長岡大学などもブースを出展したほか、しょうゆづくり体験講座なども多くの人で賑わった。
なかでも注目を集めていたのが、長岡工業高等専門学校のブースだ。メインの展示物はその名も「発酵足湯」。県産材で出来た木製浴槽の中には、おがくずと米ぬかなどが入っている。そこに住み着いた菌などの微生物が栄養を分解する際に発する熱によって温浴効果が得られるもので、浴槽内は常時30度以上に保たれている。体験者は「試みがまず面白いし、なにより温かいことに驚いた」と関心していた。
サテライト会場である摂田屋地区では、吉乃川株式会社が10月にオープンした見学施設「醸蔵」をはじめ6蔵全てが開放。機那サフラン酒本舗では、市内外のパン屋が集合した「パンマルシェ」も実施され、来場者がパンを選ぶ姿が見られた。
このイベントは、長岡市役所が事務局を務める実行委員会が主催した。同市は1月に「長岡の発酵ミーティング」という組織を立ち上げ、市内の醸造メーカーや飲食店、研究機関の担当者らが集まって協議を始めている。同市政策企画課の岩本操さんは「長岡市は歴史のある蔵と長岡技術科学大学、長岡高専といった最新鋭の研究をしている機関が共存している恵まれた環境を生かし、“発酵のまち”を観光資源、市成長の原動力の一つにすべく取り組んでいる。HAKKO tripで 市民をはじめ多くの方に知ってもらって、活動を加速させていきたい」と話した。