鈴木俊一財務大臣が新潟県糸魚川市で車座対話を実施、6人の経営者などと意見交換
財務省は27日、岸田文雄首相が推進する車座対話を糸魚川市役所(新潟県)で実施し、鈴木俊一財務大臣が糸魚川市の6人の経営者などと意見交換をした。
鈴木財務大臣の父は元総理大臣の故鈴木善幸氏だが、鈴木大臣の母方の祖父が糸魚川市にある前県立能生水産高校(現県立海洋高校)の教頭を務めていたほか、母が糸魚川市出身であることから、糸魚川市と深いゆかりがあり、今回訪れることになった。
この日出席した経営者などは、株式会社能水商店の松本将史代表取締役、上越漁業協同組合能生支所所属の中村浩底曳漁船・光洋丸船長、加賀の井酒造株式会社の小林大祐第18代蔵元(取締役)、糸魚川信用組合の黒石孝理事長、株式会社カネタ建設の猪又直登代表取締役、株式会社イールーの伊藤薫代表取締役の6人。
鈴木大臣の挨拶の後、6人の出席者が1人ずつ自己紹介を兼ねて現状を報告した。
松本代表取締役は「当社は産卵に来た鮭を使って魚醤を作っている。2018年に海洋高校の教員を退職し、会社を創業した。現在では10人ほどの会社になった」、中村船長は「漁師は家族経営であり、後継者不足や従業員の高齢化の問題がある。さらに、原油の高騰が経営に響いている」、小林取締役は「11月単月では売り上げも戻ってきているが、価格が安いものが売れている。地方の企業は東京へ売り込みたいので、運送の補助などの政策などもほしい」などと話した。
また、黒岩理事長は「当組合では貯蓄が伸びており、消費に向いていない。経済がいびつになっているので、クーポンの発行などで地元の消費促進の活動をしている」、猪又代表取締役は「糸魚川の80%が森林なのだが、地元の地産地消ということで、森林に関する商品開発などを始めている」、伊藤代表取締役は「昨年5月に地元の糸魚川市に戻ってきて、旅行会社をやっているが、市と連携してワーケーションのプログラムを作成している」などと話し、地方の現状や課題などを報告した。
6人の話を受けて、鈴木大臣は「2016年の糸魚川大火から立ち直ってよかった。前向きな話をいただき、喜んでいる。政府は現在、デジタル田園都市構想を進めているが、ニーズは都市よりもむしろ地方にあると思っている。人口減少のなかでのAIの活用や、人手不足の農業でのドローンの活用、山間地でのマイクロバスの自動運転などに取り組んでいくことが大切だと思う」と語った。