新潟県加茂市が27年ぶりの策定となる総合計画について、藤田明美市長と市民の座談会を開催
新潟県加茂市は10月、同市としては27年ぶりとなる「加茂市 総合計画」を策定。11月1日にはその概要版を全戸配布(世帯数1万弱)し、27日には七谷コミュニティーセンターにて、藤田明美市長が地域の住民を対象とした座談会を開催して計画の解説や意見交換を行った。座談会はほかの地域でも開かれ、今回含み計7回実施される予定である。
開会の挨拶に立った藤田市長は総合計画の策定の意義について「どういう市を目指しているのか、市民に共有していきたいと思っている。市が様々な事業を進める上で予算が必要になるが、市民に納得してもらうためにも計画は必要」と話し、人口減少をはじめとした市の課題と、5年後までの基本目標・施策を説明していった。
策定に当たっては、市民へのアンケート調査を実施したほか、高校生や主婦、起業家などを交えたワークショップも行い、若い年代層の意見も取り入れていったという。
市が基本目標として健康・医療や高齢者福祉に関する施作が紹介した一方で、市民からは、県立加茂病院や今後開院する県央基幹病院(新潟県三条市)の在り方に関する不安や不満が上がる場面や、そのほかの施策についても意見が出る場面があった。
施策の中には、商工業の振興も盛り込まれた。「起業・創業の支援と企業誘致」「就業環境の整備」「中小企業
者の経営強化」などの指標を掲げ、融資や相談などを含めた創業支援の件数を2020年度現在の年3件から2025年度には年5件、展示会出店などへの支援は同7件から同9件への拡大を目指す。
座談会後、藤田市長は「なかなか大きい起業の誘致は難しい。まずは既存企業の新たな挑戦の支援や、起業・創業を応援していきたい。現在も融資関連で制度を作ってはいるが、あまり利用がない。制度の周知や、起業の機運を作っていくことも必要」と話す。また、市内に名のある製造業者を増やしていくための支援もしていきたいという。
加茂市内では、小柳建設株式会社の加茂本店が10月に日本Microsoftから地方DXの拠点に認定されたことが記憶に新しい。同市の今後の産業政策に期待が高まるところだ。
市では座談会を今後28日に上条と須田のコミュニティセンターで開催し、12月後半にも4地域を対象に開く予定である。
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