健康増進を経営課題にあげる川内自動車(新潟市秋葉区)の、従業員禁煙への取組み
経営側と従業員が、健康増進を強く共有して現れた3年の結果
株式会社川内自動車(新潟市秋葉区)にて、少々ユニークな取組みが行われている。テーマは、「禁煙」だ。
愛煙家にとっては耳の痛い話ではあるが、世の中の趨勢として「禁煙」に向かっていることに疑いの余地はないだろう。しかし、川内自動車ほど思い切った取組みをしている企業は現状、少ないと考えられる。
広報担当者に話を伺ったところ、同社の禁煙への取組みは、「カワウチ禁煙法」に則っている。禁煙法により、従業員の勤務中の喫煙が、全面禁止されているのだ。また勤務中、勤務外を問わずタバコを一切吸わない従業員には手当てを出すことも、この禁煙法に拠っている(全国規模の大手企業では、ローソンもこれに近い取り組みをしている)。
川内自動車が禁煙にここまで舵を切った理由はもちろん、「健康」だ。従業員にはいつまでも、健康で元気に仕事をしてもらいたい。タバコは吸う本人だけでなく、周りの社員や顧客へも影響を及ぼす。従業員一丸となってタバコによる健康への悪影響を排除するため、川内自動車では、社員が禁煙外来にかかる費用まで負担しているのである。
「禁煙」への取り組みが始まったのは、2015年。年次総会で川内忠代表取締役社長より、方針が告げられたとのことだった。
ただ、突然の実施となっては、喫煙者だけがいきなりつらい思いをしなければならなくなり、明らかにハンデだ。そこで「社員完全禁煙」の実施までは、一年の猶予が設けられた。なおこの時は、普段タバコを吸わない人からも、「そこまでする必要はないんじゃないか」との声があがったそうである。
しかしこの猶予の1年で、喫煙者たちも、禁煙およびそれに対する会社の方針に理解を示した。そして取組み開始から3年が過ぎた結果は、次のとおりである。
【川内自動車の喫煙率】
2015年12月:47.5%
2019年6月:14.4%
喫煙率は、みるみると減っていった。
ちなみに2018年の全国の喫煙率は、男女合わせた数字で17.9%とのことだ(日本たばこ産業株式会社、2018年「全国たばこ喫煙者率調査」による)。取組み開始の2015年時点で、川内自動車の喫煙率はかなり高かったはずであるが、今では日本全国の喫煙率を下回るまでになった。
禁煙だけではない。川内自動車にとって従業員の健康増進は重要な経営課題であり、従業員にもそれが浸透している。従業員は、常日頃から長時間労働を抑制するように努めているし、有給休暇も進んで取る。会社の方でも、従業員が時には昼食に、食べたいものが食べられるような手当を付与しているし、部活動によるスポーツ活動も支援する。
「カワウチ禁煙法」も、それはただ、タバコを目の敵にしていたわけではない。経営側と従業員が、健康増進への意識を強く共有することで、依存性の高いタバコをやめるにいたっても、成果をあげられることを示している。
【株式会社川内自動車 概要】
本社/〒956-0835 新潟県新潟市秋葉区朝日45-5
代表取締役社長/川内忠
設立/1975年12月
従業員数/235名
運営店舗/
・ハイブリッド・エコカー専門店 タンポポ
・ケイバッカ 未使用車専門店
・ケイバッカ 39.8万円専門店
・ケイバッカ 軽自動車専門店
・オートバンク
・車検の桃太郎
・鈑金の桃太郎
・アップガレージ(新潟店・新津店・新発田店・郡山店)
・タンポポSS
企業Webサイト/https://www.kawauchi.biz/index.html
バッカちゃん公式twitter/https://twitter.com/bakkachan0410