Made in 新潟新技術展示発表会が新潟市中央区で開催
新潟県や新潟県建設業協会、建設コンサルタンツ協会北陸支部は12日、新潟市内で第12回目となるMade in 新潟新技術(土木・建築)展示発表会を開催した。発表会には、新潟県内の土木・建築企業関係者など総勢約400人が参加した。このイベントは、新潟県内の土木・港湾・建築分野の工法・製品・材料といった新技術の普及・活用を図るために、各企業が開発した技術を展示や発表を通して周知させる取り組みだ。
この日は、優秀な技術を有する企業に対する表彰、20年後の建設産業をテーマとする特別講演が行われたほか、新潟県企業を代表して6社がそれぞれ自社技術をPR。また、隣接する会場では展示会が開催。新潟県企業総勢38社が計77技術をPR。
新潟県土木部の部長を務める中田一男氏は、花角英世新潟県知事のメッセージを代読し、「新潟県としてはMade in 新潟新技術普及制度を通じて、地域の土木・建設業の発展につなげていきたい。また、引き続き新技術を活用しやすい環境整備を行い、これら技術の更なる普及促進に努めたい」と述べた。
広範な防災対策事業を手掛けるプロテックエンジニアリング(新潟県聖篭町)は、同社の崩壊土砂・落石・雪崩防護柵工法について、優秀技術として表彰を受けた。この工法の特徴は、崩壊土砂・落石・雪崩の3つにマルチに対応できる点。さらに、軟弱な地盤や民家の裏といった狭隘な場所でも設置可能。ワイヤーネットを支柱間ごとに取り外し、細かく補修できることも強みの1つだ。新潟県の中山間地や積雪の多い地域には欠かせない工法と言える。
表彰に続いて、プロテックエンジニアリングの代表取締役を務める野村利充氏は「弊社は日々、自社施設内で新技術・新製品の開発や性能実証実験に取り組んでおり、現地での設置工事まで一貫して行っております。製品を高いレベルに仕上げ、全国で高い実績を収めるに至ったのはMade in 新潟に表彰していただいたおかげ。新潟県の発展に、これからも微力ながら貢献する所存です」と謝辞を述べた。
イエイリ・ラボ(東京都中央区)の代表取締役を務める家入龍太氏は、20年後の建設産業の姿に関して特別講演を行った。20年後の建設現場は、これまでにない大きな変化を迎えるという。この変化の要因とは生産年齢人口の減少に伴う、建設現場へのAIやロボットの導入だ。家入氏は「頭脳労働はAIに、肉体労働はロボットに変わっていくでしょう」と述べ、3Dプリンタによる建造物の模型作成やドローンによる空撮、タブレットによる建設機械の遠隔操縦など既に導入されている事例を紹介した。
この後、新潟県企業6社が自社技術をPR。塩害や積雪、大雨、落石対策といった、いずれも本県の土木・建築分野にとって重要な技術だ。6社の取り組みの具体的内容は以下のとおり。
水倉組(新潟市西蒲区)/老朽化した鋼矢板水路の補修工法
山高建設(新潟県長岡市)/消雪パイプ高圧洗浄の効率化技術
日本サミコン(新潟市中央区)/エネルギー緩衝リング付落石防護フェンス
ホクエツ信越(新潟市中央区)/ゴミトレイ付きL型側溝集水桝
北日本建材リース(新潟市北区)/水替作業を省力化する仮設組立水路
レックス(新潟市中央区)/塩害を受けたコンクリート構造物の補修・補強工法