新潟市が「工業用地確保のための開発プラン(8地区)」を選定
2021年以降に協議が整った地区から開発着手
新潟市はこのほど、民間から募集していた「工業用地確保のための開発プラン」の中から、じっさい開発する8プランを選定した。新潟東スマートIC地区、白根北部地区など8地区が選ばれた(表参照)。
今後、農振法や都市計画法に関わる関係機関(農林水産省など)と、農地転用や都市計画決定の変更などに関する協議を行っていく。そして2021年4月以降、協議が整った地区から開発に着手するとともに、プロモーションとセールスも展開していく。
新潟市が一昨年夏に、市内外の3233社を対象に行ったアンケート調査や、市内企業62社に対するヒアリング調査をもとに、工業用地の潜在的(長期的)需要を算出したところ、その面積は50haにもなり、工業用地の潜在的需要が高いことが分かった。
だが、新潟市では、大規模な工業団地を新たに造成しないことを決めている。理由は、「今ある工場のすぐ近くに新設したい」「空港の近く建てたい」など多様なニーズがあり、特定のエリアに工業団地を造成しただけでは、それらのニーズに対応できないためだ。
特定個所での団地造成にかわって、昨年3月に打ち出したのが、メーカーや物流会社と付き合いのある民間事業者(不動産会社など)のネットワーク網と知恵を活用して、工業用地を開発する取り組みだ。
「コンサルティング会社、不動産会社、建設会社などは、メーカーや物流会社などと付き合いがあり、そうした企業のニーズ(数年後に工場を建てたいなどといったニーズなど)を把握できます。そこで、民間事業者から、じっさいのニーズをもとにした開発計画を作成・募集してもらい、小規模の工業用地を複数開発していこうという方針を打ち出しました」(新潟市)
昨年6月に民間からの開発プランの募集することを公表。昨年12月までプランを募集し、11地区から応募があった。その中から、8地区を選んだ。まずは、比較的ハードルが低い白根北部地区の開発着手を目指していく。
一方、「現工場の隣接地に工場を建てたいが、農地転用の手続きが必要」といった個別のニーズにも対応していくという。