中国・大連市の訪問団が金型などを製作する武田金型製作所(燕市)を視察

大連市の訪問団一同(前列左から4番目が会長の徐朝法氏)

にいがた産業創造機構(NICO)の中国事務所「新潟県大連経済事務所」がある中国・大連市の訪問団18人が10月29日、NICOの案内で、新潟県燕市で金型の設計・加工・組み立てを手掛ける武田金型製作所を視察した。訪問団は、大連市中日経済合作交流協会の会長を務める徐朝法氏を始めとする協会役員や協会に加盟する企業幹部など総勢21人。

大連市中日経済合作交流協会は2013年に設立。大連市唯一の経済交流を主とする中日友好協会だ。主な事業は、大連市と日本各地域の経済交流をはじめ、地方への外資誘致、日中企業間の投資協力や市場開拓など。大連市で毎年、ビジネス商談会や展覧会、投資説明会など様々なイベントを開催している。

訪問団は28日から30日まで新潟県に滞在し、燕・三条地域の企業や県内の行政機関を訪問した。手始めに、訪問団が視察を希望した業種の1つである金型を手掛ける企業として、武田金型製作所を訪れた。

 

マジックメタルをPRする様子

武田修一代表取締役

武田金型製作所の武田修一代表取締役は、訪問団に対し、同社の概要を説明したほか、マジックメタルを見せ技術力をPR。2019年8月、中国吉林省の長春市で開催された第12回中国・北東アジア博覧会の日本館で展示され、日本館を訪れた中国の国務院副総理からも高い評価を得た。実際に、ボタンを押して金属板から文字がスムーズに迫り出してくる様子を体験すると、訪問団から感嘆の声が上がっていた。

工場内を見学する訪問団

その後、訪問団は工場内を見学しながら、仕上がった金型を手に取り出来栄えを確かめていた。訪問団には金型や精密機械部品、医療器械を手掛ける企業の幹部が複数含まれていたこともあり、設備の性能や精度に関する質問が飛び交った。武田氏は視察受け入れについて、「国内外を問わずどんどん受け入れたい。弊社の取り組みが広がり、燕・三条地域全体の盛り上がりに繋がるよう努めたい」と語っていた。

MGNETで金型製品を見学する訪問団

工場内の視察終了後、訪問団は武田金型製作所に併設されたMGNETの金型製品販売コーナーに移動し、仕上がった金型製品を見学。MGNETは武田金型製作所の事業部から独立。武田氏の息子さんの武田修美氏が代表取締役を務める企業だ。武田金型製作所が手掛ける金型の企画・PR・販売のみならず、県央地域の起業支援を行うスタートアップ拠点にもなるなど、燕地域での存在感を着々と高めている。

3Dプリンタを担当する従業員の五十嵐さん

武田金型製作所はマジックメタルのほかにも、自社の技術力をPRする一環でユニークな試みを行っている。燕三条ものづくりメッセで毎年開催される3Dプリンタを活用したコンテスト「プロテクト・ザ・エッグ部門(機能の部)」への出場もこの1つだ。プロテクト・ザ・エッグ部門(機能の部)は、3Dプリンタで生卵を保護する容器を作成。生卵を容器の中に入れて一定の高さから落とし、割れない高さを競うコンテストだ。武田金型製作所は今年こそ業務の関係から出場できなかったものの、2017年と2018年にはいずれも準優勝の成績をおさめている。この容器の製作を担当しているのは、若手従業員の五十嵐さんだ。五十嵐さんは「毎年優勝している同じ地域の米山工業さんは手ごわい相手ですが、来年こそ優勝を狙って頑張ります」と意気込む。

武田金型製作所

 

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