株式会社プロテックエンジニアリング(新潟県聖籠町)が業界最大級となる落石フェンスの実験施設を設置
落石や土砂崩れへ対応する防護フェンスなどを開発する株式会社プロテックエンジニアリング(新潟県聖籠町)は、斜面災害対策製品の実験を行う施設を完成させ、30日にはその竣工式を実施した。同施設は業界最大級となり、2022年3月から本格稼働を予定する。
新たな実験施設は、プロテックエンジニアリング本社敷地内に建設され、幅5メートル、延長45メートル、高さ17.42メートル。建設にあたっては地盤の改良も実施した。投資資金は1億2,000万円で、株式会社熊谷組(東京都新宿区)が建設に携わった。
野村利充代表取締役社長は「既存の施設でも実験はできたが、大きな(落石の)エネルギーや、種類を変えた実験をするために、より施設が大きいほうが精度が高められる。今回の施設の完成により、実験の制約が少なくなる」と期待を語る。
実験は、製品となるフェンスを地面と水平に張り、上から落石に見立てた重錘を落下させてその補足性能を検証する。既存の施設と比較しより大きいフェンスを使用できるようになったほか、複数パターンでの実験を行うことで、従来はできなかった現場への提案も可能となったという。
また野村社長は「実験できる範囲が広がったため、かなり多様な製品開発ができると考えている。今は落石を目的にしているが、崖崩れや土石流の実験もしていきたい。災害の激甚化と多様化で、既存の製品では対応できないところも出てきている。よりきめ細かく対応できる製品開発をしていけたら」と話す。
今後同社では、さらに多様な製品の開発を進め、3年後の売上を現在の倍となる20億円規模にまで成長させることを目指す。