長岡市の磯田達伸市長が「アクアポニックス長岡プラント」を視察

アクアポニックスで育てる植物。これまでに200種類の野菜や果物が栽培可能と実証されている

循環型システムで持続可能な農業を実現

長岡市の磯田達伸市長は21日、株式会社データドックと株式会社プラントフォームが運営する、国内最大規模のアクアポニックス農法を実践する工場「アクアポニックス長岡プラント」を視察した。

アクアポニックスとは、水産養殖と水耕栽培を同一システムで行う循環型農法をいう。養殖魚の排泄物をバクテリアが分解し、その養分で植物が成長。植物が養分を吸うことで水が浄化され、綺麗になった水が再び魚の水槽へと戻るという仕組みだ。水を入れ替える必要もなく、持続可能な農業を実現する。

「アクアポニックス長岡プラント」は今年8月に開設。データドックが運営する寒冷地型データセンターから生じる余剰熱を利用して運営する。一般的な土壌栽培に比べて栽培期間が2分の1、LED型の植物工場と比べて初期コストが4分の1、光熱費などのランニングコストは10分の1と、収益性に優れている。

アクアポニックスの最大の特徴は、生産が難しいと言われる無農薬で無化学肥料の「有機野菜」を安定的に大量生産できること。少量多品種生産が可能で効率的な栽培計画が実行できるため、高付加価値野菜として収益率の高い生産を実現する。運用を始めてから約3ヶ月の売上高は野菜だけで3000万円にのぼる。養殖しているチョウザメからとれるキャビアの販売と野菜の販路拡大で、来年は数億円が見込まれている。

これまでに県内外の50社ほどが視察に訪れ、すでに何社かの導入が決まっている。今後は、ここで生産した野菜の販売から認知を高め、アクアポニックスの導入推進に取り組んでいくという。

農林水産省のデータでは、平成29年の日本の有機栽培比率は0・5%と、他国に比べて非常に低い数値となっている。プラントフォームはこれを10年後までに5%へ引き上げることを目標に掲げている。

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寒冷地型データセンターの余剰エネルギーを使った植物工場が長岡市内に完成(2019年8月28日)
https://www.niikei.jp/21555/

視察に訪れた長岡市の磯田達伸市長

利益率の高いチョウザメを養殖

アクアポニックスで栽培された野菜。「FISH VEGGIES」のブランドで販売する

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