新潟駅前にスタートアップ拠点「SN@P(スナップ)」が開設して1ヶ月

SN@Pのオープニングセレモニー(10月23日)

起業相談やオンラインコミュニティなどで起業志望者を支援

開業率が全国46位と低迷する新潟県は今年度、開業率を高めようと、起業希望者にコワーキングスペースやレンタルオフィスなどの起業スペースのほか、多様な利用者が交流する場を提供する「民間スタートアップ拠点」の開設支援事業を始めた。すでに、4民間企業が県内4地域(新潟・燕・十日町・佐渡)にスタートアップ拠点を開設している。

このうち10月23日にオープンしたスタートアップ拠点「SN@P(スナップ、Startup Niigata at PLAKA)」は、新潟駅前にあるプラーカ3(新潟市中央区)の1階に入居する。プラーカ3の2階には、およそ60社が利用するコワーキング・レンタルオフィス「HUB STATION KENTO」があるほか、1階に、新潟ゆかりの企業などに投資するファンドなどを運営する新潟ベンチャー・キャピタル株式会社が10月11日に本社を移転するなど、ベンチャーの拠点となりつつある。こうしたこともあり、新たに誕生したSN@Pの今後の活動に注目が集まる。

SN@Pの事業の一つに、起業に関する相談がある。起業したいがどうしたらよいかわからない――。こんなことを感じている起業希望者は少なからずいるなか、SN@Pでは「相談に来た人の話を聞いて、にいがた産業創造機構など(NICO)や金融機関など適切な機関につないでいく」(運営会社の株式会社スナップ新潟・逸見覚代表取締役社長)という。まだオープンして日は浅いが、毎日数人の相談者が訪れている。

新潟駅(南口)の目の前に立地するプラーカ3。SN@Pは1階に入居する

起業志望者や協賛企業などが参加するオンラインコミュニティ「SN@Pサロン」も11月20日に開設した。独自の「コイン」を使って起業家を支援するオンラインコミュニティ。協賛企業は月額1口3万円(個人は1万円)で、オンラインコミュニティの専用ページにアイデアを書き込んだり、ブラッシュアップしたりする起業志望者に評価のスタンプを押すことで支援する。起業志望者は、評価に応じてSN@Pから発行されるコインを貯めることで、起業に必要な物資(PC、コワーキングスペース使用権など)と交換できる。

申し込みページ
https://snap-niigata.co.jp/
「登録はこちらから」をクリックすると登録フォームが表示されます。

 

起業希望者などが集う空間づくりにも取り組んでいて、オープンして間もないが、週に1回のペースで何かしらのイベントが行われている。主催するのは、(公財)新潟市産業振興財団(IPC財団)、新潟ベンチャー・キャピタル株式会社、起業家の有志グループなどベンチャーや起業家を支援する団体・企業などだ。用途も、ベンチャー関連のセミナー、起業家などが集う懇親会、授業、会議など様々。ちなみにスペースの使用料は、フロアすべて(100人以上を軽々収容)を使用した場合で、10000円/時(税別)、半分に仕切って使用した場合で6000円/時(税別)。

このほか、ゼミ生が起業したりビジネスコンテストで優勝したりしている「伊藤ゼミ」の伊藤龍史・新潟大学准教授と11月19日に「起業家育成のための環境に関する共同研究」を行うなうことで合意した。「交流スペースができたことによって起業家、希望志望者を取り巻く環境がどのように変化していくのか研究していく」という内容で、SN@Pではスペースを提供していくこととなる。

(上写真2枚)新潟ベンチャーキャピタルが11月8日にSN@Pで開催した「スタートアッププルワリ―新潟」。交流会の間にLT(ライトニングトーク 5分程度のプレゼンテーション)が3セッション行われ、参加者は事業の失敗談や起業ノウハウなどの知見を共有する有意義な機会となった。なお事業の告知はもっぱらSNSによるものだったが、参加者は当初見込んでいた50人を大幅に上回る100人近い参加があったという(写真提供=新潟ベンチャーキャピタル)

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