火災が発生した妙法華山妙照寺(新潟県佐渡市)の2件の市指定文化財の被害状況は現時点で確認できず
新潟県佐渡市は7日、6日に火災が発生した妙法華山妙照寺の敷地内にある2件の市指定文化財(涅槃図、洛中洛外図屏風)に関し状況確認を行い、その状況について公表した。
涅槃図は、住職によると敷地内の土蔵(火災の被害は軽微と思われる)に収蔵してあるとのことで、被害状況については、確認に至っていないという。
洛中洛外図屏風は、住職によると敷地内の庫裡くり(火災の被害あり)に収蔵してあるとのことで、被害状況については確認に至っていない。なお建物は損傷が激しく、倒壊の危険があるため近づくことができない状況。
今後については、柱やがれき撤去を行う際に立ち会い、2件の文化財について状態を確認する予定。時期については未定。
涅槃図は、釈迦の入滅時の様子を描いた絵図で、釈迦の遺徳を称える涅槃会の際には寺の本堂などに掲げられ、参拝が行われる。
絵図は縦3.28メートル、横3.58メートルの巨大なもので、画面は沙羅双樹の中央の宝台に北枕、西向きに横になる釈迦を囲む諸菩薩、悲泣する仏弟子・俗衆と動物たち、上空には急ぎ飛来する生母摩耶夫人(まやぶにん)たちの姿が描かれている。
画中には「雪舟八代長谷川等玉信雪筆」の墨書銘と落款があり、作者は絵師の長谷川等玉であることが確認できる。
洛中洛外図は、京都の洛中(市内)と洛外(郊外)の建物や四季の風景、庶民の生活の様子などを描いた風俗絵。この屏風は6曲1双、縦155センチメートル、横360センチメートルで、右隻に洛中の北野神社および経堂が中心に描かれ、内裏や二条城が省かれており、左隻の洛外には鴨川以東の様子が描かれている。
建物の様子から寛永元年(1624)ころの京都が描かれていると考えられており、このことから作品の制作年代も江戸時代前期と推定されている。